こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、Amazonが公開したAI搭載のコーディングツール「Kiro」について触れます。

AI搭載のコーディングツールは、MicrosoftやOpenAI、Googleなど各社が開発していますが、ここにAmazonも参入してきた形です。実際に触ってみて、本職のエンジニアはもちろん、プログラミング初心者にもおすすめできるツールかもしれない、と感じました。この記事では、そう感じた理由も含めて解説します。

コーディングツールというと、プログラミングをしない人には関係ない話に聞こえるかもしれません。ですが最近は、自分の業務を円滑にするツールを自作したり、資料作りをしたりするために使う人が増えています。普段ChatGPTやGeminiを使っていて、AIだけでは解決できない課題にぶつかったとき、「AIでツールを自作する」という選択肢は大きな武器になります。そのとき、どのツールを使えば効率よく作れるのか、という観点でも読んでもらえればと思います。この記事のポイントは次の3つです。

  1. AmazonのKiroの概要
  2. Kiroを使った感想
  3. Kiro以外のコーディングツール(現時点でのおすすめ)

Kiroの概要

Amazonが開発したコーディングツールがKiro(キロ)です。

内部ではAnthropicのClaude 4のモデルが動いています。最初はてっきりAmazon製のAIモデルが搭載されているのかと思っていましたが、蓋を開けてみるとClaude 4でした。AmazonはAnthropicに多額の出資をしているので、その兼ね合いもあるのでしょう。コーディングのタスクでClaude 4の人気が高い背景もあると思います。

ちなみにKiroはリリース後、予想以上の人気でいったん受付がストップし、現在はウェイトリスト待ちの状態です(おそらく近いうちに解除されると思います)。

実際に使った感想

先に結論を言うと、現時点でKiroを単体で使うのは少し厳しい、ただし他のAIツールと組み合わせると力を発揮する、というのが実際に使った感想です。

Kiroの最大の特徴は、AIエージェントのように振る舞い、開発の設計書を作ってくれる点です。作りたいものを伝えると、Kiroが設計書や計画書を作り、タスク単位に細かく分割して、これからの開発の道筋を立ててくれます。

イメージとしては、ChatGPTのDeep Researchのコーディング版です。Deep Researchは、少ない指示からAIが調査計画を立てて情報を集めてくれる調査特化のAIエージェントですよね。それと同じように、Kiroは「こういうものを作りたい」と伝えると、いきなり作り始めるのではなく、まず必要な設計を作り、細かいタスクに分割して実装計画を立ててくれます。

もちろん、Kiroが立てた実装計画を人間がチェックして口を挟めます。「この機能はいらない」「ここにこういう機能を追加して」といった調整ができます。作成前に人間のチェックを挟むので、作業を進めてから「指示していたものと違う、やり直し」という伝達ミスを防げます。AIに生成してもらったら意図と違うものができていた、というのはコーディングでよくあることなので、事前に計画を立てられるのは大きな利点です。

このように、少ない指示からエージェント的に実装計画を立ててくれるのがKiroの魅力で、他のユーザーのレビューでもこの点が評価されています。

弱点は実装スピードの遅さ

一方でネガティブな点は、端的に言って実装スピードが遅いことです。

Kiroは先に設計書とTODOリストを作り、その計画をもとに実装していきます。TODOリストの項目をポチポチとクリックして進めていくのですが、項目を押してからの実装にかなり時間がかかります。ここが唯一のネガティブな面です。ただ、リリースされたばかりなので、今後改善されていくと思います。

そして、この実装の遅さは他のAIツールとの組み合わせで回避できます。たとえば、実装計画はKiroに作ってもらい、実装が遅い部分はClaude Codeのような別のツールに渡す、といった使い方です。

AIを組み合わせるテクニック

このように単体で使うのではなく他のAIツールと組み合わせるアプローチは、Kiroに限らず多くのAIで有効なテクニックです。

たとえば文章校正の精度を高く保ちたいとき、ChatGPT単体に任せるのではなく、Geminiにも渡してチェック漏れを減らす。あるいは、業務計画はChatGPTに任せて、そこからの文章作成はClaudeに任せる。こんな具合に、単体で物足りなさを感じる場合は、複数のAIツールを組み合わせて使う方法がおすすめです。

おすすめのコーディングツール

話をKiroに戻すと、簡単にエージェントが実装計画を立ててくれる点が、プログラミング初心者にこそおすすめできると感じた理由です。

AIはコンテキストが大事とよく言われますが、プログラミングに慣れていない人からすると、詳細な実装計画を自分で作るのはハードルが高いですよね。その点Kiroは、少ない指示でもAIが自律的に思考して実装計画を立ててくれます。つまり、自分で何かを作る作業のハードルを下げてくれるツールなのです。

今、AIの領域で最も熱い分野はソフトウェア開発です。Amazonがこうして参入してくるほどの激戦区になっています。なぜかというと、端的にAIと開発の相性が良いからです。「AIを導入したけれど効果を実感できない」という業界もある中で、ソフトウェアは最も相性が良い領域です。だからこそ、AI搭載のコーディングツールが次々にリリースされています。

MicrosoftのVS Code、OpenAIのCodex、GoogleのGemini CLI、AnthropicのClaude Code、あとはCursorやWindsurfなど、とにかく選択肢が多すぎます。AIコーディングエージェント全体の位置付けについてはAIコーディングエージェントとは?で整理しているので、あわせて読んでみてください。

私が試した範囲でのおすすめは、こうです。

  • がっつりコーディングするならClaude Code
  • まだ本格開発はしないけれど、AIエージェント搭載のコーディングをとりあえず試したいならVS Code

VS Codeは無料で使えるので、お試しにぴったりです。VS Codeでたくさん開発すると物足りなくなる場面も出てきますが、そのときにClaude Codeなどへの課金を検討すればスムーズに移行できると思います。

まとめ

普段使っているChatGPTやGeminiといった会話型AIに、コーディングツールをプラスするアプローチはとてもおすすめです。なぜなら、AIだけでは難しいタスクも、AIとプログラミングを組み合わせれば解決できるケースがあるからです。

ご存じのように、AIにはハルシネーション(間違った回答を出してしまうこと)という弱点があります。一方、プログラミングではコードの通りに処理が実行されます。AIだけでは解決できないタスクも、プログラミングのアプローチなら解決できることがあるわけです。

これを念頭に置くと、課題解決のアプローチも変わってきます。AIだけで解けない課題は、AIとプログラミングを組み合わせて解く。そのときに活躍するのが、今回紹介したKiroやClaude CodeのようなAI搭載のコーディングツールです。

最後に、今回のポイントをまとめます。

  1. AmazonからKiroというコーディングツールが発表された
  2. Kiroはユーザーの指示からまず実装計画を作り、それをもとに実装する。ただし実装スピードは遅いので、その部分は他のAIツールと組み合わせるのがおすすめ
  3. コーディングツールは数多くあるが、がっつりやるならClaude Code、まずは無料で始めるならVS Codeがおすすめ

年々AIの性能は上がっていて、誰でもプログラミングを駆使してツールを自作できる土壌が整いつつあります。最初の一歩はなかなか踏み出しにくいですが、興味のある方はぜひ検討してみてください。