こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事ではAnthropicが発表したClaude Managed Agentsについて触れます。

Claude Managed Agents: get to production 10x faster - Anthropic

Claude Managed Agentsの概要

Anthropicが「Claude Managed Agents」をパブリックベータとして公開しました。簡単に言うと、クラウドホスト型のエージェントを構築・デプロイするためのAPIスイートです。

これまでエージェント開発をしようとすると、サンドボックス環境の構築、状態管理、権限設定など、本番環境に持っていくまでに相当な作業が必要でした。Claude Managed Agentsはこのインフラ部分をAnthropicが引き受ける形になります。

4つの主要コンポーネント

提供される機能は大きく4つです。

  • 本番グレードのエージェント: サンドボックス化されたコード実行、認証、ツール実行が統合されている
  • 長期稼働セッション: 数時間の自律運用が可能で、出力がセッション間で永続化される
  • マルチエージェント調整: エージェントが他のエージェントを起動して複雑なタスクを並列処理する(リサーチプレビュー段階)
  • ガバナンス機能: スコープ化された権限管理とエグゼキューショントレーシング

個人的に注目しているのは長期稼働セッションです。セッション間で出力が永続化されるので、途中で途切れても続きから再開できます。単発のAPI呼び出しではなく、継続的なタスク実行を前提にした設計になっています。

オーケストレーション層の自動管理

組み込みのオーケストレーション層が以下を自動で処理します。

  • ツール呼び出しの判断
  • コンテキスト管理
  • エラーリカバリー

自前でエージェントループを実装した経験がある人なら分かると思いますが、ツールの呼び出し制御やエラー時のリトライ処理は地味に手間がかかる部分です。ここを丸ごと任せられるのはかなり楽になるかなと。

導入事例

すでにいくつかの企業が採用しています。(日本からは楽天も!)

企業 用途
Notion コーディング、ウェブサイト、プレゼンテーション生成のカスタムエージェント
Rakuten product/sales/marketing/financeの各専門エージェントをSlack/Teamsに統合(1エージェントあたり1週間以内にデプロイ)
Asana 人間と共同作業する「AI Teammates」の実装
Vibecode プロンプトからデプロイまでのプロセスを高速化
Sentry バグ検出から修正パッチのPR作成までを自動化

Rakutenは複数部門にまたがるエージェントを構築しつつ、各専門エージェントを1週間以内にデプロイしており、導入の手軽さを裏付けていると思います。

パフォーマンス

Anthropicによると、構造化ファイル生成のテストで成功率が最大10ポイント向上し、特に難しい問題で改善幅が大きかったとのことです。内部テストでは自己評価と反復型アプローチの組み合わせが効いているようです。

既存のエージェントフレームワークとの違い

LangChainやCrewAIなどのOSSフレームワークとの最大の違いは、インフラをAnthropicがホストする点です。自前でサンドボックスやセッション管理を構築する必要がなくなる代わりに、Anthropicのエコシステムに依存する形になります。

すでにOSSフレームワークで運用している場合は移行コストが発生しますが、これからエージェントを構築する場合は検討する価値があるかなと思います。

エージェント開発のインフラ問題を解決できるか

Claude Managed Agentsは「エージェントのロジック」ではなく「エージェントのインフラ」に焦点を当てたサービスです。何をさせるかは開発者が決め、どう動かすかはAnthropicが引き受ける。この分担が明確なのは面白いアプローチだと思います。

現在パブリックベータで、ドキュメントはplatform.claude.com/docsから確認できます。