OpenAIがライフサイエンス特化モデル「GPT-Rosalind」を発表

矢野 哲平

目次

こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事ではOpenAIが発表したライフサイエンス特化モデル「GPT-Rosalind」について触れます。

Introducing GPT-Rosalind for life sciences research - OpenAI

GPT-Rosalindとは

OpenAIが発表したライフサイエンス研究向けの専用AIモデルです。名前はDNAの構造解明に貢献したイギリスの化学者ロザリンド・フランクリンにちなんでいます。

先日、Amazonも創薬特化のモデルを発表しましたが、AIの活用が注目される領域でもあります。

生化学、創薬、トランスレーショナル医学の研究を支援するために設計されており、化学、タンパク質工学、ゲノミクスにおけるツール使用と理解を組み合わせた科学的ワークフロー向けに最適化されています。

何ができるのか

GPT-Rosalindが対応する主な研究タスクは以下の通りです。

  • エビデンスの統合
  • 仮説生成
  • 実験計画
  • 科学データベースへのクエリ
  • 最新の科学論文の読解
  • 科学ツールの利用
  • 新しい実験の提案

単なる質問応答ではなく、複数ステップにわたる研究タスクを一連のワークフローとして支援する点が特徴です。

ベンチマーク結果

ベンチマーク 結果
BixBench(バイオインフォマティクス・データ分析) パスレート 0.751
LABBench2(文献検索・プロトコル設計など) 11タスク中6タスクでGPT-5.4を上回る
Dyno Therapeutics RNA配列-機能予測 人間専門家の95パーセンタイル超
Dyno Therapeutics 配列生成 84パーセンタイル

Dyno Therapeuticsとの評価では、未公開のRNA配列を使った配列-機能予測テストが実施されています。

アクセス方法と対象

ChatGPT、Codex、APIでリサーチプレビューとして提供されます。ただし誰でも使えるわけではなく、米国のエンタープライズ顧客向けのプロウグラムを通じた限定公開です。

利用条件として、公益性のある科学研究を実施していること、ガバナンスとセーフティチェックを維持していることが求められます。

初期パートナーとして以下の組織が参加しています。

  • Amgen(製薬)
  • Moderna(ワクチン)
  • Thermo Fisher Scientific
  • Allen Institute
  • Dyno Therapeutics

Codex向けライフサイエンスプラグイン

GPT-Rosalindと同時に、Codex向けの無料ライフサイエンスリサーチプラグインも発表されました。50以上の科学ツールとデータソースに接続でき、研究者の作業範囲を広げる位置づけです。

生物兵器リスクへの安全対策

ライフサイエンス特化モデルならではのリスクとして、生物兵器関連の悪用が挙げられます。OpenAIは潜在的に危険な行為を検出するシステムと使用制限を実装しているとのことです。

専門特化モデルの流れが加速している

GPT-Rosalindは先日発表されたサイバーセキュリティ特化の GPT-5.4-Cyber に続く、ドメイン特化モデルです。汎用モデルとは別に、特定分野の推論能力を高めた専用モデルを投入する戦略が見えてきます。

米国では新薬承認までに一般的に10〜15年かかるとされており、AI による研究の初期段階の加速がどこまで実効性を持つか、今後の実績が注目されます。

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