こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、2025年のAIの振り返りと、使って良かったベストAIツールについて触れます。

私見を交えながら、2025年のAIがどう発展したのかを振り返り、最後に今年良かったツールを紹介します。解説するポイントは次の2つです。

  1. 2025年のAI振り返り
  2. 2025年に使って良かったベストAIツール

2025年の振り返り

私は2025年最初の配信で、その年に注目していることとして「AI Automation(自動化)」「AI Agent(エージェント)」「AI Driven Development(AIを使った開発)」の3つを挙げました。これらが実際にどう発展したのか、答え合わせをしていきます。

AIの自動化

まずAIの自動化です。たびたびお伝えしていますが、生成AI活用の鍵はここにあると考えています。

私たちは普段、ChatGPTやGeminiと対面で作業しています。そのため、AIを稼働させられる時間は人間が稼働できる時間に限られます。AIを24時間動かしたくても、人間が24時間動くのは不可能です。一方でAIを自動化すれば、24時間稼働させられます。特にバックオフィス系のタスクと相性が良く、ドキュメント作成時の誤字脱字チェック、問い合わせの温度感の判別、ニュースの振り分けなど、自動化のヒントは仕事の数だけ転がっています。

この動きは2026年も続くと思います。たとえばGoogleは、企業向けプラットフォームのGoogle Workspaceで「Google Workspace Studio」という自動化ツールを公開しました(現時点ではアルファ版)。GmailやGoogleチャット、Google Meetなどを自動化し、そのワークフローにGeminiを簡単に組み込めるツールです。

このツールの面白い点は、AIチャットに話しかけるように自動化のワークフローを作れることです。たとえば「過去24時間以内に公開された生成AI関連のニュースをまとめて、その内容を〇〇のメールアドレス宛に送信してください」といった口頭の指示で、自動化を構築できます。しかも精度が高い。これが正式版でリリースされれば、プログラミングや特別なスキルがない社員でも、日々感じている課題をAIに伝えるだけで業務を自動化できるようになります。会社でGoogle Workspaceを導入している方は、チェックしておくことをおすすめします。

AIを使った開発

次にAIを使った開発です。2025年1月にこの話をした時点では、まだ「バイブコーディング」というキーワードは出ていませんでした。そのキーワードが広まったのは2025年5月頃だったと記憶しています。

AIを使って開発を行うこの流れは、2025年でかなり発展しました。これまでプログラミングや開発はエンジニアがするものという認識でしたが、AIによって誰でもできるようになり、プログラミング未経験の人でも便利なツールを自作して業務効率を改善できるようになりました。世の中のタスクの中でもプログラミングはAIと特に相性が良いので、この流れは2026年も続くと思います。具体的な始め方はAIを使ったプログラミングの始め方にまとめています。

AIエージェント

そしてAIエージェントです。2024年あたりから露出が増えましたが、2025年は賛否両論というイメージです。「AIエージェントはいいね」という派と、「言うほどいいかな」という派に分かれています。

AIが自律的に思考してタスクを遂行するのは良いアプローチですが、精度が100%ではなく、ミスや意図しない動作もあります。判断ミスが許容できないタスクでは、AIエージェントよりも、人間が構築した手順に沿って動かすAIの自動化のほうが向いています。こうしてAIエージェントの得意な領域・不得意な領域が見えてきたのが2025年だったと感じます。

2024年当時に言われていた「AIエージェントが人間に置き換わり、人間が不要になる」といった状況は、限られたタスクにとどまり、すべての業務が置き換わることにはなりませんでした。とはいえ各社が開発を続け、新しい技術も登場しているので、2026年も引き続き注目していきたいと思います。AIエージェントの基礎はAIコーディングエージェントとは?でも解説しています。

2025年に感じたこと

AIを導入すれば皆がハッピーになるのか

少し前に、ある企業のAIチャットボットが「全然使えない」というSNSの投稿がバズっていました。これは興味深い問題提起だと思います。

AIへの注目が高まる中、AIの導入に舵を切る企業は多いですが、AIを使うこと自体が目的になっているケースも見られます。本来は業務効率や仕事の質を高めるための導入なのに、逆効果になってしまうパターンです。先のチャットボットの例では、質問に答えられないAIがユーザー体験を損ね、結局は人間が対応することになり、その頃には顧客の温度感も上がっている、という悪循環が起きていました。

これは私自身も気をつけたい点です。たとえば私のポッドキャストも、ニュースの取得から台本作成、AI音声への変換まで全自動化できますが、そうすればリスナーは離れていくと思います。AIをどこで使うかは慎重に考えるべきです。アメリカのマクドナルドも、ドライブスルーのAI注文をクレームの多さから撤回しました。

カスタマーサービスのようなユーザーとの接点では、AIの使用は慎重になったほうがよいと感じます。それよりもバックオフィスでAIを活用して業務効率を改善し、結果としてサービスの質を上げるアプローチのほうが良いと思います。社員に対しても同じで、AIの使用を強制するより、気づいたら業務にAIが溶け込んでいる状態が理想です。たとえばドキュメントを作成したら自動で文章校正やリスク評価が走る、といった形です。

Googleの躍進

2025年に感じたもう一つの大きな出来事が、Googleの躍進です。AIの性能だけでなく、周辺ツールも非常に良いものをリリースしています。OpenAIが緊急事態を発令したニュースもありましたが、Googleの追い上げをOpenAIも楽観視できない状況になってきたのだと思います。

振り返ると、ChatGPTが出始めた頃は「Googleは検索のビジネスモデルが強いから、ChatGPTの台頭で終わるのでは」とまで言われていました。その後GoogleがBardを出した当初は精度が低く、Geminiが出てもしばらくは「ChatGPTのほうが精度が高い」という評価でした。それが2024年後半あたりからかなり性能が上がり、2025年には大きく活躍するモデルへと進化しました。この流れは2026年も続くと思うので、引き続きGoogleの動向はチェックしたいところです。

2025年のベストAIツール

最後に、2025年に使って良かったAIツールを紹介します。

AI音声入力(Aqua Voice)

人間が話した内容を文字に変換してくれるツールです。タイピングより口頭での入力のほうが2〜3倍速いと言われています。有名どころにSuperWhisperもありますが、比較した結果、私はAqua Voiceのほうが良いと感じました。理由は文字の精度と反応スピードです。誤字が少なく、何より変換スピードが速い。作業効率を上げるために使っているので、この速さは見逃せません。音声入力ツールの比較はこちらの記事でも詳しく触れています。

AIコーディングツール

Claude Code、Gemini CLI、Codex CLIといったコーディングツールもおすすめです。私はClaude Codeをメインに使っていますが、デザイン関連の修正はGemini CLIのほうが強いこともあります。どれか1つをメインに決めて、サブでもう1つを使うのがおすすめです。どのツールも精度が高く、プログラム以外でも活躍します。私はスライド作成、文書作成、調査系のタスクでも使っています。パソコンのファイルの新規作成・編集・削除もできるので、エンジニアでない方がドキュメント管理ツールとして使うケースも増えています。

NotebookLM

AIを使った情報整理の定番ツールです。PDFや論文、YouTubeなど気になったものをAIポッドキャストに変換して、ジョギング中に聞いたりしています。勉強や情報収集にも使えて、しかも無料です。まだ使ったことがない人はぜひ試してみてください。

AIブラウザ

AIが搭載されたブラウザです。各社からツールが出ており、OpenAIのAtlasやDiaが有名です。GoogleもGemini in Chromeとして機能を提供しています。今開いているページを要約したり情報を整理したりするのに役立つので、インターネットからよく情報収集する人におすすめです。私はOpenAIのAtlasを使っています。

自動化系ツール

Makeやn8n、Zapier、Difyといった自動化ツールも個人的なベストです。ここはどのツールでも良いと思いますが、ポイントは「とりあえずAIを自動化してみる」ことです。価格面も含めて使いやすいのはMakeだと感じています。Google Workspaceを契約している方には、前述のWorkspace Studioもおすすめです。

Grok

イーロン・マスク氏のAI会社が開発するGrokで、SNSのXにも組み込まれています。最新の情報に関する質問はGrokが使いやすいので、情報収集系のタスクが多い人はチェックしてみてください。

ツールまとめ

改めて整理すると、AI音声入力のAqua Voice、AIコーディングツールのClaude Code・Gemini CLI・Codex CLI、情報整理のNotebookLM、AIブラウザのAtlas、自動化系のMakeやn8n・Dify、そしてGrok、の6カテゴリです。

年末に向けて

2025年もあと少しで、私にとってもこれが今年最後の振り返りになります。年始のエピソードで挙げた注目分野は、いずれも形を変えながら着実に発展してきました。2026年も引き続き、自動化・AI開発・AIエージェントの動向を追いかけていきたいと思います。今年も読んでいただき、ありがとうございました。