こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事ではGeminiアプリに追加されたチャット履歴のインポート機能について触れます。
Make the switch: Bring your AI memories and chat history to Gemini - Google Blog
何ができるようになったのか?
ChatGPTやClaudeなど、他社AIサービスのデータをGeminiに移行できるようになりました。提供されるツールは2つあります。
- メモリーのインポート: 他社AIに蓄積されたパーソナライズ情報(趣味、関心、背景情報など)をGeminiに取り込む
- チャット履歴のインポート: 過去の会話をZIPファイルでGeminiにアップロードし、検索・参照できるようにする
AIチャットサービスを乗り換える際の最大の障壁は、積み重ねた会話履歴やパーソナライズ情報を失うことです。この機能はその障壁を取り除くことを狙っています。
インポートの手順
メモリーのインポート
- Geminiの設定画面で「メモリーをGeminiにインポート」を選択
- 表示されるプロンプトをコピー
- そのプロンプトを移行元のAI(ChatGPTなど)に貼り付けて実行
- 生成されたサマリーをコピー
- Geminiに戻って貼り付ける
移行元のAIが自分について把握している情報をサマリーとして書き出し、それをGeminiに読み込ませる仕組みです。
ワンクリックで他社の画面に接続して移行するような機能ではなく、やっていることは手動の移行作業になります。
簡単に言うと、Gemini側で表示されるプロンプトを他社AIチャットに貼り付けて回答をコピペ→Gemini側に貼り付けという手作業です。

チャット履歴のインポート
- 移行元のAIサービスからチャット履歴をZIPファイルとしてエクスポート
- GeminiにそのZIPファイルをアップロード
ChatGPTもClaudeもエクスポート機能を提供しているので、既存の仕組みをそのまま活用できます。インポートした会話はGemini内で検索・閲覧が可能です。
誰が利用できる?
Geminiの無料・有料ユーザーどちらも利用可能です。
ちなみにGoogle WorkspaceのGeminiチャット画面では確認できませんでした。
現時点においては個人向けに開放されている機能だと思います。
Googleの狙いは明確
GoogleはGeminiの月間アクティブユーザー数が7.5億人を超えたと発表しています。一方でChatGPTは週間アクティブユーザー9億人を公表しており、利用頻度ではまだ差があります。(以前より差は縮まってきましたが)
このインポート機能は、他社AIサービスに蓄積されたデータという「乗り換えコスト」を下げることで、ユーザーの移行を促す施策です。
個人的には、AIサービス間のデータポータビリティが進むこと自体は良い流れだと思います。
ただし、Geminiが実装したこの機能は全ての作業をユーザーが手作業で担うため、決して使いやすいとは言えません。今後こうした機能をChatGPTやClaudeも実装するかは注視したいと思います。
ちなみにOpenAIのCodexがClaude Code 向けのプラグインを公開しました。このような形で他社のユーザーを取り込むような流れは今後加速するかもしれません。
データポータビリティの先駆けになるか
今回の機能はGoogleが「受け入れ側」として提供したものですが、これが業界標準になるかは別の話です。
現状、各社のエクスポート形式はバラバラで、Geminiが対応しているのはZIPファイルでのインポートのみ。逆にGeminiから他社への移行が同じくらい簡単かというと、そこは未知数です。
とはいえ、大手がこうした機能を公式に提供し始めたことは意味があると思います。AIアシスタントの選択が「どこにデータがあるか」ではなく「どのサービスが自分に合うか」で決まるようになれば、ユーザーにとっては良いことです。