こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、AIを勉強に活用できるのか、というテーマについて触れます。

AIを使って業務効率を改善できるというのは、もはや周知のことだと思います。では、勉強の効率も同じように改善できるのでしょうか。私はこんな仮説を立てました。AIを使えば、勉強の効率も改善できる。この記事では、その点を深掘りしていきます。

この記事で解説するポイントは、主に次の3つです。

  1. そもそもAIを勉強に活用できるのか
  2. AIを勉強に活用する具体的な方法
  3. AIを使った勉強の落とし穴

AIで勉強の効率は上げられるのか

先に結論を言うと、AIで業務効率を改善できるように、勉強の効率も改善できると私は思っています。

まず、あるリスナーの方から教えてもらった勉強法を紹介させてください。とても興味深く、自分だったらこう使うかな、とイメージを膨らませながら読んでみてください。

その方は、英会話学習でNotebookLMの音声概要を使っているそうです。NotebookLMはGoogleが提供するAIツールで、ユーザーがアップロードしたソースをもとに、自分だけの音声コンテンツを作れる機能があります。

具体的な流れはこうです。

  1. まずChatGPTの音声会話機能で英会話練習を20分ほど行う
  2. 会話終了後、その会話ログをChatGPTに添削・要約してもらう
  3. それをそのままNotebookLMに投げて、対話形式の音声概要(英語)を作成する

すると、まるで自分があるラジオ番組にお便りを出し、2人の英語ネイティブのパーソナリティが、それをうまく説明しながら、時には独自のコメントを添えてくれる。そんな10分弱の音声データができあがるそうです。

面白いのは、もともと自分が話した内容をベースに音声コンテンツが作られている点です。だから、英語が聞き取れない部分があっても「AIが何について会話しているのか全くわからない」という事態にはなりません。「私のあの発言をこんなふうに表現するんだ」と、本当にラジオ番組を聴いているような感覚で、楽しくリスニングの勉強ができるとのことでした。

この方も触れていましたが、英会話スキルの習得はとにかくアウトプットが大事です。その点でAIはうってつけの学習ツールで、英会話学習においては今の流行になりつつあります。

ただ、ここで一つ大事なのが「復習」です。いくらAIと会話練習をしても、それを復習しなければスキルは伸びにくい。この方も、いつも面倒でサボっていた復習を、ようやく楽しく行える方法が見つかった、と書かれていました。

まさにこれが、AIで勉強の効率を上げる、ということだと思います。一度勉強した内容をAIに渡して、さらにAIを使って復習する。これは今まではできなかった新しい勉強方法です。退屈になりがちな復習の作業を、AIで少しでも効率化し、楽しくする。特に普段からポッドキャストを聴くような、耳の空き時間を持っている人には、この時間を復習に充てる使い方がおすすめです。

私のAIを使った勉強方法

次に、私自身のAIを使った勉強方法を紹介します。

仕事柄、AIの情報をキャッチアップする必要があるので、いろいろな情報ソースを参考にしています。最近の定番は、次のような流れです。

まず、情報ソースを自分の目で見て勉強します。たとえばYouTubeでAIの解説動画を観たとします。それをNotebookLMに渡して要約させ、テキストで復習する。さらに音声概要機能でポッドキャスト化します。私はジョギングをするので、その最中に耳で改めてインプットする、という具合です。

初めて聞く内容だと、音声だけではわかりづらい場面もあります。ただ、一度視覚で情報を捉えているので、耳で聞いてもスーッと入ってくるんですね。これが結構な復習になります。だいたいYouTube1動画で7分前後の音声コンテンツができあがるので、それを2〜3周回すと頭に残ります。改めて音声で聞いたときに、新しい気づきがあることも多いです。NotebookLMの活用法はNotebookLMの活用アイデアでも詳しくまとめています。

ここまでがインプットの方法ですが、逆にアウトプットにも使えます。

勉強した内容を、なかなか自分の中で消化しきれていない、と感じることはありませんか。理解したような気はするけれど、人に伝えようとするとうまく言語化できない、という状態です。

こうしたときは、ChatGPTに向かって、その内容を自分の言葉で説明します。そして、こう指示します。

私の説明は〇〇の説明として適切でしょうか。誤りがあれば指摘してください。

私の説明が正しければ「正しい」と返ってきますし、誤りがあれば訂正してくれます。このとき使うモデルは推論モデルを推奨します。無料プランの方は熟考モードを、有料プランの方はo3やo4-miniのような推論モデルを使うとよいです。

これは「学習ピラミッド」の考え方に近いと思います。人に教えたときの学習定着率は高く、講義を受けるだけや読書だけよりも、ずっと記憶に残るとされています。人に教えることを、AIで擬似的に再現するわけです。私が教えた内容に誤りがあれば、ちゃんと指摘してくれるのもAIの良いところです。

問題を出してもらって理解度を確認する

最近は、散歩しながら新しいプログラミング言語の勉強をしたりもしています。Googleが開発したDartという言語を、ChatGPTに音声入力で質問してテキストで回答をもらう、という使い方です。

余談ですが、周囲の環境が許すなら、AIとのやり取りは音声入力をおすすめします。スマホに標準で備わっている機能で、タイピングに比べて入力スピードが3倍ほど上がるので、効率化が期待できます。

一通り書き方を教えてもらったら、次にこう質問します。

では次にサンプルのコードを出題してください。私はそのコードを見て、どのような処理がされているのかを当てます。

するとAIがコードを書き出して「このコードはどのような処理をしていますか?」と質問してきます。私が答えると「正解です」「一部正解です、ここが誤っています」といったやり取りができます。最近のモデルだと「次はもっとレベルを上げていきましょうか」と提案してくれることもあります。AIに問題を作らせて理解度を確認する。これもおすすめの方法です。

実は、結構前にAIが勉強に使えないか試したことがありました。GPT-3.5から4に変わる頃だったと思いますが、当時は精度が良くなく「あまり使えないな」という印象でした。でも今は精度がかなり上がっています。以前試して断念した方も、改めて試すと面白いと思います。前はできなかったことが、できるようになっている可能性は高いです。

なお、分野によって得意なAIが違う場合もあります。たとえばイーロン・マスク氏が手がけるGrokは、公式によればロケットや物理学、天文学に強いそうです。スペースXを経営している背景もあるのかもしれません。宇宙関連の勉強をしたい方は、こうしたモデルの個性も意識して使い分けると良いと思います。

AIを使った勉強の落とし穴

ここまでAIを使った勉強のメリットを話してきました。すごく良い方法だと思っているのですが、実際に使ってみて注意すべき点もあります。最後にそれを共有します。

一つは、ゼロから始めるジャンルでは、すべてをAIで完結させないことです。

たとえば、これまでプログラミングをやったことがない人が、ゼロから勉強するとします。このとき、AIだけで勉強するのは少し気をつけたほうがいいです。理由は主に2つあります。

一つはハルシネーションの問題です。ご存知のとおり、AIは間違った回答を生成することがあります。その分野にある程度知識があれば「これは間違いなんじゃないか」となんとなく見抜けます。でも、ゼロから勉強する内容に対しては、ハルシネーションを見抜くのが難しいので注意が必要です。

もう一つは学習効率の問題です。ある程度知識があればAIへの質問もスムーズですが、知識がゼロの場合は「あれって何ですか」「これって何ですか」と、いろいろなことを質問しないといけません。これが学習効率を下げてしまいます。その分野の全体像が見えていないのも、効率を悪くする原因です。

ではどうするか。この場合は、本とAIを組み合わせる学習方法がおすすめです。

  • まず本を読んで全体像を把握する
  • 読み進める中で生まれた疑問点を、個別にChatGPTに聞く
  • そして復習にAIを活用する

本でなくてもYouTubeなどでも構いませんが、全体像を把握するには本が効率的だと思います。

補足すると、AIに学習カリキュラムを作ってもらうアプローチもありますが、個人的には現時点では精度が低いと感じています。自分が得意なジャンルでカリキュラムを作らせると、あまり精度が良くない場面が多いんですね。知識ゼロの状態では、そのカリキュラムが本当に良いものか判断のしようがありません。見当違いなところを勉強していると、かえって遠回りになってしまうので注意が必要です。

まとめ

最後に、今回のポイントをまとめます。

  1. 業務効率を上げられるように、勉強の効率もAIで上げられる
  2. AIを勉強のフローに組み込むことで、自分だけのオーディオ教材を作るなど、今までにない学習アプローチが取れる
  3. ただし知識ゼロのジャンルでは、本とAIを組み合わせた勉強方法がおすすめ

AIを使った勉強は、復習やアウトプットの場面で特に力を発揮します。以前試して断念した方も、今のモデルなら印象が変わるかもしれません。ぜひこの記事を読んだあとに、改めて試してみてください。