こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、Anthropicから新しく公開されたClaude Coworkについて触れます。
Claude Coworkとは何なのか、誰が使えて、私たちはチェックすべきツールなのか、そして実際に使ってみた感想を紹介します。せっかくなので、そもそもClaudeとは何なのか、最近のClaude周りがどうなっているのかにも触れていきます。
この記事で解説するポイントは次の3つです。
- リリースされたClaude Coworkのニュース
- 実際にClaude Coworkを使ってみた感想
- Claude Cowork以外の、最近のClaude全般について
普段はChatGPTを使っていて、Claudeは聞いたことはあるけれどまだ触っていない、という方もぜひ読んでみてください。
そもそもClaudeとは
まずClaudeについて簡単に説明すると、ChatGPTやGeminiと似たAIのプロダクトです。開発元はAnthropicという会社で、ChatGPTと同じようにチャット画面でAIと会話できます。
OpenAIが開発したChatGPT、Anthropicが開発したClaude、という関係です。ちなみにAnthropicのCEOは、元OpenAIの上級メンバーだったダリオ・アモデイ氏です。
Claude Coworkとは何か
先週、AnthropicからClaude Coworkという機能が発表されました。Coworkは「コワーキングスペース」などで使われる単語で、AIと一緒に作業するというコンセプトを表しているのだと思います。
簡単に言うと、普段使っているパソコン上で動作するAIエージェントです。パソコンのファイルを新規作成したり、整理したりできます。
たとえば、スマホで撮影した領収書の内容を読み込んで、日付・店名・仕分け内容をもとにExcelファイルを作ってもらう。あるいは、ファイル名のついていないスクショに分かりやすい名前をつけてもらう。そういった使い方ができます。
既存のChatGPTやClaudeのチャット画面との大きな違いは、手元のパソコンのファイルを操作できる点です。一見、小さな違いのように見えますが、AIがファイルを作成・修正・削除できるというのは、実は大きな差になってきます。
Claude Coworkの背景と、使えるユーザー
では、パソコンのファイルをAIエージェントに操作させるのは世界初の試みかというと、そうではありません。
もともとAnthropicにはClaude Codeというツールがあります。これはプログラマー向けのツールで、パソコンにインストールしてAIにプログラムを書いてもらうものです。AIがファイルのコードを修正したり、読み込んだり、新規作成したりします。私も実際の業務で使っていますが、非常に便利です。
実は以前から、このClaude Codeをプログラム以外に使う人が一定数いました。コードではなく、文書や報告書の作成、文章校正、スライド作成などに使うわけです。そうした使われ方をAnthropicも認識していて、今回エンジニアでない人向けに使いやすくしたものがClaude Coworkというわけです。つまり、Claude CodeとClaude Coworkはできることがかなり似ています。
ちなみに、このCoworkをAnthropicのエンジニアがClaude Codeを使って2週間ほどで一気に開発した、という話も興味深いところです。Anthropicがものすごい速さで新機能をリリースし続けられる背景には、自社開発のClaude Codeの存在があります。
誰が使えるのかというと、現時点ではやや限定的です。Macユーザーで、月額20ドルのプランに加入しているユーザーが対象です。リリース当初は月額100ドルのMaxプランが必要でしたが、すぐに月額20ドルのプランまで引き下げられました。
ここまでをまとめると、Claude Coworkは現時点でMacユーザー向け、かつ月額20ドルのプラン加入が条件で、パソコンのファイルやフォルダにアクセスしてさまざまなタスクをこなせる、AIと一緒に作業を進めるためのツールです。
実際に試してみた
ここからは使ってみた感想です。先に結論を言うと、使える人はまだ限定的ですが、機会があればぜひ一度試してほしいツールだと感じました。シンプルに使いやすく、可能性を感じます。
先ほど触れたとおり、CoworkでできることはもともとClaude Codeでもできていました。WindowsユーザーにはまだCoworkが展開されていませんが、同じようなことはClaude Codeをインストールすれば実現できます。
ただ、エンジニアでない方からすると、Claude Codeは少し使いにくいんですよね。文字だけの画面(コマンドラインインターフェース)で、取っ付きにくさがあります。私自身、Claude Codeが出始めた頃は「すごそうだけど難しそう」とハードルの高さを感じていました。実際に使えば慣れる部分も大きいのですが、エンジニア向けのツールであること、画面が文字だけであることは、確かにハードルになります。
その点、Claude Coworkはエンジニアでない人をターゲットにしているので、非常に使いやすいと感じました。普段使っているChatGPTやClaudeのような画面をコワークモードに切り替えて作業を進めていくイメージで、基本的な操作感は変わりません。導入のハードルはかなり低いです。
しかもこの画面から、パソコン内のファイルやフォルダを扱えるうえ、インターネットにも接続でき、外部ツールにも連携できます。たとえばGoogle Drive、Gmail、Googleカレンダー、Notion、Canva、HubSpot、Box、Indeedなど。単なるAIチャットの枠を超えて、ハブのように機能する一面も持っています。
領収書の分類を任せてみた
私はさっそく、領収書の分類タスクをCoworkにやらせてみました。確定申告も近いので、時期的にもちょうどいいかなと。
領収書をiPhoneで撮影し、そのデータをMacに移してから、Coworkにこう指示しました。
領収書フォルダには領収書の画像が入っています。これを青色申告向けに情報を抽出してください。たとえば日付・店名・仕分け項目(書籍代、交際費、交通費など)です。
このタスク自体は以前からClaude Codeでもできていたのですが、Coworkで試してみると、思っていた以上に精度が高く、処理スピードも速かったです。
iPhoneからMacに移した画像は、まだ「IMG_0688」のように中身の分からない名前がついています。そこで「画像の中身を読み込んで、分かりやすいファイル名に変えてください」と指示すると、ファイル名の変更も問題なく実施してくれました。「仕分け済みのフォルダに移動してください」という指示にもきちんと対応しました。
一連の作業を通して感じたのは、予想より精度が高く、予想より処理が速いということです。リリース直後のツールは安定しないイメージがありますが、私が試した範囲では特にバグもなく、問題なく処理してくれました。
手順書を使って自動化する
次に、この一連の作業を自動化のような形で処理できるか試しました。さきほどは一つずつ会話のやり取りを挟みながら処理しましたが、今度はその内容をあらかじめ別ファイルに書いておき、AIにその手順どおり進めてもらうやり方です。
具体的には、step.mdという手順書を作成し、次のように記載しました。
- 画像を読み取り、青色申告用の情報(日付・店名・仕訳項目)を抽出する
- 1の内容を
receipt.mdとして出力する - 領収書の画像名を「YYYY-MM-DD-店名-仕訳項目」にリネームする
- 領収書の画像を仕分け済みフォルダに移動する
- タスク完了をユーザーに報告する
そして「step.mdに記載されている手順に沿って処理を行ってください」とだけ指示しました。するとAIが手順書を読み取り、画像から情報を抽出し、ファイルに出力し、画像名を変更し、仕分け済みフォルダに移動して、完了を報告する、という処理を自分で進めてくれました。
このように、別ファイルにAI向けの手順書を書いて「この手順どおりに進めて」と頼むやり方はおすすめです。これは私がClaude Codeでもよく使う方法で、一度手順書を作っておけば、あとは領収書の画像をフォルダに入れて「いつもどおり処理してください」とお願いするだけで済みます。手順書を中心に進めるこの考え方は、仕様駆動開発とも通じるところがあります。
さらに、こうした内容はGoogleドライブにアップロードもできますし、Gmailと連携しておけば「領収書の整理が終わりました。確認をお願いします」と税理士の方に自動でメールを送る、といったこともできます。名刺の分類も同じように対応できそうです。画像の読み込み精度が高いので、社名やURLを抽出してExcelに書き出す、といった使い方も面白いと思います。
なお、Claudeに渡した内容がAIの学習に使われる可能性はありますが、ユーザー側で学習をオフにすることもできます。
Claude Coworkの評価
正直なところ、Coworkはまだユースケースが固まりきっていない印象です。Claude Codeは「AIと一緒にプログラミングをやる」と目的がはっきりしていて分かりやすいツールですが、Coworkはやれることが多いぶん、用途が定まっていません。なので、刺さらない人には刺さらないと思いますが、刺さる人にはかなり面白いツールです。リリースされたばかりで使える人も限られていますが、興味がある方はぜひ試してみてほしいと思いました。
最近のClaude周り
最後に、最近のAnthropicやClaude周りについて触れます。
現在、AI界隈で特に有名な会社は3社だと思います。ChatGPTを開発するOpenAI、Geminiを開発するGoogle、Claudeを開発するAnthropicです。
OpenAIとGoogleは比較的似た路線で、動画や画像のAIなどを次々にリリースしています。その中でAnthropicはやや違う路線を走っていて、動画や画像のAIは開発していません。一番有名なのはエンジニア向けの強力なAIエージェント、Claude Codeです。そして今回、エンジニアでない人向けのCoworkをリリースしてきました。
私自身、現時点ではClaudeを触る機会がかなり増えています。プログラミングはもちろん、パソコンのファイルやフォルダをAIと一緒に処理していく作業にも使っています。たとえば最近パソコンを買い替えたとき、Claude Codeに「自宅の外からこのパソコンにアクセスしたいので手順を教えてください。その手順書をファイルに保存してください」と頼みました。おかげで、出先のノートパソコンやiPhoneから自宅のパソコンを操作できるようになりました。プログラミング以外でも、かなり活躍してくれます。
とはいえ、ChatGPTやGeminiを使っていないわけではありません。GeminiはGoogle Workspaceの自動化でかなりお世話になっていますし、ChatGPTにもClaude Codeと似たCodex CLIというツールがあります。Codex CLIはChatGPTの有料プランに加入していれば使えるので、普段チャット画面だけを使っている方は試してみる価値があります。Claude CodeとCodex CLIを混ぜながらタスクを進めるのも、個人的にはおすすめの使い方です。
結局のところ、パソコンのファイルやフォルダにアクセスして編集できる機能をAIに持たせると、今までとは違った仕事の進め方ができる、というのが要点です。Claude Coworkはそうした働き方を簡単に導入できますし、Claude CodeやCodex CLIで実験的に試してみるのも面白いと思います。実際の企業がこうしたエージェントをどう業務に取り入れているかは、AIエージェントの活用事例で詳しく紹介しています。
まとめ
最後に、今回のポイントをまとめます。
- Claudeを開発するAnthropicから、新ツールのClaude Coworkがリリースされました。
- Claude Coworkは現時点でMacユーザー限定で、月額20ドルのプラン加入が必要です。
- 手元のパソコンのファイルやフォルダにアクセスしたり、外部ツールに連携したりする、AIエージェントのような仕組みを簡単に導入できます。