こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、AIの学び方について触れます。
AIをどう学習しているか、人によってさまざまだと思います。YouTubeで学ぶ人もいれば、書籍で学ぶ人もいます。今日は、その選択肢の一つとしてOpenAI Academyをおすすめしたい、という話です。というのも、ChatGPTのスキルを学べるOpenAI Academyが先週、大幅にアップデートしたからです。AIを使う人向けに、無料で学べる学習コンテンツがさらに充実しました。この記事では次の3点を解説します。
- 無料でAIを学べるOpenAI Academyとは何か
- 実際に公開されているコンテンツの中身
- AIを効率的に学習するアプローチ(個人的な経験を含めて)
OpenAI Academyとは
OpenAI Academyは、OpenAIが利用者向けに公開している学習コンテンツのサイトです。魅力は何といっても無料で誰でも使えること。サイトにアクセスするだけで学習コンテンツを閲覧できます。
分類としてはテキストコンテンツで、文字でAIのスキルを学べます。イメージとしてはノートやブログのような形です。特徴は大きく2つ。一つは無料で誰でも使えること、もう一つはコンテンツの幅の広さです。
たとえば「AIとは?」という最初の説明から、ChatGPTの始め方といった基本的な内容まで揃っています。そこから発展して、ChatGPTを業務で活用するためのコツや、AIエージェントを構築する方法など、初心者向けから中級者向けまで充実しています。
OpenAI Academy自体は最近できたものではなく、1年以上前から公開されています。ではなぜいま紹介するかというと、先週4月10日に大幅なコンテンツのアップデートがあったからです。もともと充実していた内容がさらに充実し、しかも最新情報を反映したものになりました。今まさにAIを勉強しようとしている人にはうってつけのサイトです。
OpenAI Academyのコンテンツの中身
OpenAI Academyのサイトは英語なので、使い方としてはブラウザの翻訳機能を使って学習するのがおすすめです。スマホでも翻訳機能を使えば学べます。個人的にはこうした海外コンテンツの翻訳にはChromeが使いやすいと感じています。
魅力はコンテンツのシンプルさです。1コンテンツあたりだいたい5分ほどで完了するように設計されているので、1〜2時間かかるものではなく、5分から10分でさっとAIスキルを学べます。移動中の電車内や隙間時間にも勉強できるのがメリットです。
最近追加されたのは、AIの具体的な活用事例です。これを求めている人は多いと思うので、ニーズに合致しています。具体的には、一般的な活用事例、職種ごとの活用事例、産業ごとの活用事例の3種類です。
一般的な活用事例では、ChatGPTで文章コンテンツを作成する方法、ブレインストーミングでアイデアを生み出す方法、データ分析を行う方法、研究を進める方法などが用意されています。嬉しいことに、コンテンツによってはプロンプトのサンプルがあり、実際に手を動かしながら学べます。私も見てみましたが、学習を進めやすいよう、よく設計されていると感じました。
職種ごとの活用事例では、マーケティング、カスタマーサポート、営業、ファイナンス、マネジメントなどのコンテンツが揃っています。たとえばマーケターがChatGPTをどう使えるかとして、ランディングページやメールキャンペーンの作成、競合他社の分析、キャンペーンのブレインストーミング、データ分析などが挙げられています。
この職種別コンテンツがすごいのは、末尾に具体的なプロンプトの記載がある点です。OpenAI公式が「マーケティングではこう使えます」とプロンプトを用意してくれていて、それをクリックすると実際にChatGPTのチャット画面が起動してAIとのやり取りが始まります。たとえば「◯◯の広告コピーを12種類作成してください。感情に訴えるアプローチを4種類、実用的なアプローチを4種類、好奇心を刺激するアプローチを4種類……」といったプロンプト例が掲載されています。
営業の事例も見てみると、顧客の履歴や関係者のメモ、戦略的な営業提案といった必要な情報を一箇所に集約して運用する、営業担当のメモを次のアクションや担当者の割り振りといった構造化データに変換し直す、といった内容が紹介されています。「自社の営業にAIを活用したいが、どう使えるのか見当もつかない」というケースでも、このコンテンツにアクセスするだけで具体的なヒントを得られます。しかも無料です。
AIを活用しようと思ったとき、どこかからヒントを得るのは大事です。「AIってこんな使い方ができるんだ」という気づきをよそから持ってくる。SNSや書籍からヒントを得ている人も多いと思いますが、そうしたヒントがたくさん散りばめられているのもOpenAI Academyの魅力です。職種別の活用事例という意味では、AIエージェントの活用事例もあわせて読むと参考になると思います。
AIのおすすめ学習法
世の中にはAIを学ぶリソースがたくさんあります。OpenAI Academy以外にも、YouTube、書籍、そしてAI自身に質問して学ぶ方法もあります。正直、どこで学んでもいいと思います。動画が好きならYouTubeやUdemy、文字が好きなら書籍、というように、自分に合う媒体を選べば良いでしょう。
個人的に大事だと思うのは、どの媒体で学ぶかより、実際に手を動かしてみることです。勉強は受け身になりがちで、動画も本も見て・読んで終わりになりやすい。そうではなく、手を動かして実践してみる。これが一番大事です。AIに限らずどの学習でも共通することですが、インプットだけでなくアウトプットの比率を意識的に増やしていくのがおすすめです。
手を動かして学ぶのに最適な2つの題材
これだけだとぼやっとしているので、私自身が学んで理解が深まったと実感した題材を2つ紹介します。AIの自動化と、ローカルLLMです。
AIの自動化
一つ目はAIの自動化。読んでそのまま、AIを自動的に動かすことです。人間の手を離れてAIが勝手に動くので、24時間稼働させられます。その結果、業務効率化につながります。詳しくは2026年、AIの自動化に着手するでも触れています。
AI自動化を実現するには、APIの知識、プロンプトの理解、AIモデルの理解など、いろいろなトピックを総合的に勉強する必要があります。勉強しながら実装していくうちに、自動化を実装する頃にはかなりAIスキルが上がっていると思います。特に普段の業務の繰り返し作業を思い切って自動化に切り替えると、業務効率化にもつながります。学びながら業務にも貢献できる、学習の題材として非常におすすめです。
ローカルLLM
二つ目はローカルLLM。自分のパソコンだけでAIを動かすものです。詳しくはローカルLLMとは?でも解説しています。
AIを使うとき一番出てくる懸念が、個人情報やプライバシーの保護です。AIチャットに入力した情報が学習に使われる可能性があるからです。自分の情報なら問題ないという人もいるかもしれませんが、顧客や取引先の情報となると話は変わります。クライアントの会議内容を文字起こしして要約したいけれど、プライバシーの問題でできない、というケースです。
このときの選択肢は2つ。一つはセキュリティやプライバシーを強化したツールやプラン(OpenAIのエンタープライズプランなど)に加入すること。ただし当然お金は高くなります。もう一つがローカルLLMです。自分のパソコンだけで動作する環境を構築するので、情報が外部に送信されたりAIの学習に使われたりすることはありません。
しかもローカルLLMはオープンソースで公開されているモデルを使うので、無料で利用できます。かかる費用はマシンの費用と電気代だけです。
私も使う前はハードルが高いと感じていましたが、実際にやってみるとめちゃくちゃ簡単です。セットアップは20分ほど、慣れれば5分ほどで終わります。分からない設定も、今ならAIチャットに質問するだけで解決できます。「ローカルLLMを始めたいです。Ollamaというツールを使いたいので、具体的な作業手順を教えてください」と聞けば、AIが手順を教えてくれます。
やることはいたってシンプルです。OllamaというローカルLLMの環境構築ツールをマシンにインストールし、次に使いたいAIモデルをインストールする。以上です。Ollama以外にも選択肢はありますが、個人的にはOllamaが使いやすいです。
モデルもいろいろあります。DeepSeekやMetaのLlamaなどですが、個人的におすすめなのはGoogleのGemmaです。GoogleのAIというとGeminiのイメージですが、実はオープンソースでローカル動作するモデルも公開していて、それがGemmaです。最新バージョンはGemma 4で、私はもともとGemma 3を使っていましたが、Gemma 4はすごくおすすめです。ArenaのリーダーボードではClaude Sonnet 4.5 Thinkingと同等のスコアを記録しています。数か月前に最先端と言われていたClaudeのモデルと同等のスコアを持つモデルを、無料で、しかも自分のパソコンの中だけで動かせるようになっているわけです。
文字起こしのオープンソースモデル「Whisper」を使って音声ファイルを文字起こしし、Gemmaで要約や情報抽出を行う、といったこともオフラインで完結できます。普段使うChatGPTやGeminiとは異なる仕組みなので、また新しい学びや気づきがあります。
手っ取り早くスタートでき、なおかつAI学習に最適な題材として、AI自動化とローカルLLMをおすすめします。何より、AIを勉強しながら業務に貢献できる使い方を学べるのがポイントです。
まとめ
- AIの勉強には、OpenAI公式が運営するOpenAI Academyがおすすめ
- OpenAI Academyは以前から存在するが、先週大幅にコンテンツがアップデートされ、業務別のAI活用事例が拡充された
- その他にAIスキルに貢献する学習題材としては、AI自動化とローカルLLMがおすすめ