こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、AIエージェントで「チームを作る」という新しい視点について触れます。
先日、Claudeを開発するAnthropicが「Agent Teams」という機能を発表しました。これは簡単に言うと、AIエージェントのチームを作れる機能です。技術的な話ではなく、2026年時点で最新のAIエージェントの使い方として、「AIエージェントでチームを作るとはどういうことなのか」を深掘りしていきます。
この記事で解説するポイントは、主に次の3つです。
- そもそもAIエージェントとは何か
- Anthropicが公開した、AIエージェントのチームを作る機能について
- 実際にAIエージェントのチームを作ってアプリ開発とスライド作成をした感想
そもそもAIエージェントとは?
AIエージェントとは、簡単に言うと、AIが自律的に思考し、各種ツールを使いながらタスクを遂行するものです。AIエージェントが何かについては、AIコーディングエージェントとは?も合わせて読むと位置付けが掴みやすいと思います。
実は私たちは、知らず知らずのうちにAIエージェントを使っている場面があります。わかりやすい例がDeep Researchです。ChatGPTやGeminiにあるディープリサーチは調査系のAIエージェントと呼べる機能で、AIが少ない支援から調査計画を立て、数十のサイトにアクセスして調査を進め、最終的に人間にレポートを提出します。
また、OpenAIのCodexや、AnthropicのClaude Coworkも、AIエージェントが動作して手元のパソコンのファイルを操作するツールです。
AIとの仕事の進め方は4つに分けられる
AIとの仕事の進め方は、大きく4つに整理できます。
- ChatGPTやGeminiのチャット画面で、1対1で会話のキャッチボールをしながら進める方法(「この文章を要約して」「メールの下書きを作って」など)
- AIエージェントと人間が1対1で進める方法(タスクを振って自律的に進めてもらい、人間は成果物をチェックする)
- 複数のAIエージェントを起動して進める方法(一人の人間が複数のエージェントに指示を出し、同時並行で仕事を進める)
- AIエージェントでチームを組み、チーム単位で進める方法
このうち4つ目が、今回の主役です。
AIエージェントでチームを作る
先週、AnthropicがAgent Teamsという実験的な機能を公開しました。これはClaude Codeで動作する機能です。技術的な詳細ではなく、「エージェントでチームを組んで仕事を進めるアプローチが取れるようになった」という点に注目します。
複数のAIエージェントを起動して進める方法では、それぞれのエージェントは独立して動作しています。エージェント同士はやりとりせず、人間からの指示を単独で進めている状況です。イメージとしては、上司がいて、その下に部下が複数いる。上司が部下に仕事を割り振ってプロジェクトを進めますが、やりとりするのは上司と部下の間だけで、部下同士の連携は発生しません。
これがAIエージェントのチームになると、エージェント同士が互いにやりとりしながら仕事を進めます。つまりチーム単位で進められるようになるわけです。実際に使ってみると面白い動きをしていて、各エージェントが連携できるようにタスクの割り振りをAI自身が行います。チーム間で共有できるタスクを作り、それをもとに仕事を進めていくイメージです。
実際に試してみた
アプリケーションの作成
私は全部で9体のAIエージェントでチームを作り、アプリケーションを作ってみました。これが結構面白い体験でした。
具体的には、プログラム担当、デザイン担当、セキュリティ担当といった形で、合計9体のエージェントでチームを構成し、「このチームでアプリケーションを作ってください」と指示します。すると9体のエージェントがそれぞれ連携を取り、タスクを共有しながらどんどん仕事を進めてくれました。約20分ほどで、普通に動くアプリケーションが完成しました。
AIエージェントに限らず、AIに仕事をお願いするときは、タスクを分割したほうが精度が良くなる場合が多いです。一人のエージェントにデザインもプログラムもセキュリティチェックも任せるより、それぞれに分担してもらったほうが成果は上がります。これは人間に置き換えても直感的ですよね。一人にあらゆるタスクを担当させるより、それぞれにタスクを割り振ってチームで遂行してもらうほうが自然です。
エージェントでチームを組んでタスクを遂行する。こうした選択肢を取れるようになったのは、私の中では大きな収穫でした。
スライドの作成
次に、スライドの作成をお願いしてみました。「あるトピックをもとに分かりやすいスライドを作ってください」という指示です。このときは4人チームでした。
- スライドの構成を考える担当
- デザインを考える担当
- 情報に誤りがないかファクトチェックをする担当
- 出来上がった成果物を評価するレビュー担当
こちらも精度高くスライドが作成できました。ただ、スライドから文字がはみ出す箇所があったので、ここは修正が必要だと感じました。これもチーム編成を工夫すれば克服できるかもしれません。たとえば、スライドを一枚の画像として捉え、文字の見切れが発生していないかチェックする担当を置く、といった具合です。
トークン消費は激しいが、面白い
AIエージェントのチームを組んで仕事を進めるのは、試してみると少し不思議な感覚でした。
寝ている間にAIに働いてもらう、という使い方を以前紹介しましたが、そうしたアプローチも、チームを組むことでより取りやすくなりそうです。
ひとつ補足すると、AIエージェントチームを使うとトークンの消費が結構激しいです。まだ実験的な機能で最適化されていないと思いますが、こうしたデメリットがある点は押さえておいてください。
人間というボトルネックを解消するか
とはいえ、AIエージェントをチーム単位で動かすアプローチは、人間というボトルネックを解消するヒントになると感じます。
AIエージェントを使っていると、人間がタスク遂行の足枷になっていると感じる場面があります。AIエージェントが処理するスピードは、私たちが考えているよりもはるかに速く、人間がそのスピードに追いつけないのです。チームを組むことで人間の負担を少しでも軽くできれば、より高速に仕事を処理できます。
業務の進め方はこれからも変わっていく
AIエージェントのチームを作って仕事を進める。こうした新しいアプローチが出てきましたが、まだ2026年の2月です。今年がどうなっていくのか、正直予測がつきません。私自身を振り返っても、数ヶ月前と比べてAIを使った仕事の進め方は変わっています。年単位というより、数ヶ月単位で仕事の内容が更新されていく感覚です。
この機能を発表したのはAnthropicですが、支持されればOpenAIやGoogleも実装してくると思います。現時点では実験的な機能ですが、情報を先取りする意味でも、「AIエージェントのチームを作って仕事を進める選択肢もある」ということを覚えておいてもらえると嬉しいです。
ちなみに、AIエージェントのチームを作るのはとても簡単です。ファイルに1行追加してClaude Codeを起動し、「チームを作ってタスクを実行したい」と明示的に伝えるだけでOKです。これだけでチームを作ってタスクを実行できます。
シンプルな指示でも動きますが、やはりAIへ渡す指示を工夫したほうが精度は上がります。これは、会話のキャッチボールをするような使い方でも、チームを組んで進める使い方でも同じだと感じました。Agent TeamsはClaude Codeの公式ドキュメントでも紹介されているので、興味のある方はぜひ試してみてください。
まとめ
最後に、今回のポイントをまとめます。
- Claude Codeで公開された新機能Agent Teamsは、文字通りAIエージェントのチームを作ってタスクを進めるもの
- チームでは、各エージェントが他のエージェントと連携を取りながらタスクを進めていく
- 実際にアプリ開発とスライド作成で試したところ、どちらも精度高くタスクをこなしてくれた。ただしトークンの消費は激しいので注意が必要
なお、Claudeというツールそのものの魅力についてはClaudeの魅力を語るで詳しく触れています。