こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、業務効率化に役立つおすすめのAIツールを紹介します。
生成AIと一口に言っても、さまざまなツールがあります。普段使っているChatGPTやGeminiのようなチャットAIだけでなく、用途に特化したツールもたくさんあります。どのツールをどんなタスクで選べばいいか、迷っている人も多いのではないでしょうか。
この記事では、私自身の経験を交えながら、次の流れでおすすめツールを紹介します。
- 業務効率化に役立つおすすめAIツール(実体験も交えて)
- このタスクにはこのツール、という使い分け
- 後半は中級者向けのツール。普段のAIにプラスすると活用の幅が広がるもの
AI音声入力
まず絶対におすすめしたいのが、AI音声入力です。簡単に言うと、発話した内容を文字起こししてくれるツールです。
なぜこれをおすすめするのか。理由は、作業効率が格段に上がるからです。
AIへ指示を出すときは、コンテキスト、つまり背景情報を多く含めた方が精度が上がります。たとえば「〇〇会社の情報を調査して」とだけ指示するよりも、
〇〇会社の情報を、次の内容を重点的に調査して。会社の変遷、代表の経歴、ビジネスモデル、資金調達の有無、求人情報。調査の意図は、〇〇会社と競合する製品を開発予定のためです。
このように背景情報や意図を含めた方が、回答の精度はぐっと上がります。ただ、これを毎回キーボードで打つのは大変ですよね。
そこでAI音声入力です。音声入力はキーボードのタイピングよりも2〜3倍速いと言われています。私も実際に試してみたところ、きっかり3倍速く入力できました。先ほどのような長めのプロンプトも、ほぼ発話と同じスピードで入力できます。AIへの指示だけでなく、メモやタイピング全般で使えるので、AIの文脈を抜きにしても業務効率の底上げに貢献してくれます。
AI音声入力ツールはいくつかありますが、私はAqua Voiceをおすすめします。
Grok
次はGrokです。これはChatGPTやGeminiのようなAIチャットで、テスラやスペースXを経営するイーロン・マスクが設立したxAIというAI会社が開発しています。
Grokは、最新情報を調査・検索するときにおすすめです。XというSNSの情報を参照しているため、最新情報の取得に強みを発揮します。最近は無料枠の制限が厳しくなってきていますが、無料でも利用できます。
少し脱線しますが、最近はどのAI会社も無料枠の制限が厳しくなってきています。「AIは無料で使えて当たり前」という認識から、「AIを使うにはある程度課金が必要」というマインドセットへ、私たちも切り替えていく必要があるかもしれません。
NotebookLM
次はNotebookLMです。すでに使っている人も多いと思います。
NotebookLMを簡単に言うと、AI搭載の資料整理アプリです。できることが多岐にわたるので一言で説明するのは難しいのですが、AIを使った資料整理に大きな力を発揮します。
何がそんなに支持されているのか。一言で言えば、ユーザーが提供したソースだけに限定してAIが処理してくれる点です。ここで言うソースは多岐にわたります。PDFのような書類、音声、YouTubeのURLなどです。
たとえば、ある会社の公開資料を効率的に処理したいとき、NotebookLMに渡すだけで要約してくれたり、重要なインサイトの発見を助けてくれたりします。ほかにも、業務マニュアルを読み込ませて、従業員が業務について質問できるAIチャットを構築する、といった使い方もできます。これは実際にワークマンさんが導入している事例です。
NotebookLMについて話し始めると1エピソード分くらい消費してしまうので、この辺にしておきますが、とにかくおすすめのツールです。無料で利用できます。
画像生成(ChatGPT Images 2.0)
次は画像生成です。ここではChatGPT Images 2.0を取り上げます。比較的最近リリースされた、ChatGPTの画像生成AIです。
画像生成というと、業務で使うイメージが湧かない人も多いかもしれません。人物モデルやイラストは作れるけれど、業務では使えない、趣味の範囲かなと。
でも、ChatGPT Images 2.0はそうした考えを変える要素があります。単なる画像生成にとどまらず、デザインのラフ案や資料作成など、業務に応用できる範囲が広がっています。
たとえば、家族3人がリビングで団欒している画像をアップロードして「この画像をメインに、マンションのチラシのラフ案を作成して」と指示すると、よく目にする新築マンションのチラシが高い精度で完成します。情報を渡して「これをもとにスライド資料を作成して」という使い方もできます。
先ほど紹介したNotebookLMでもスライド資料は作成できますが、現時点では誤字脱字が起きたり文字が潰れたりすることもあります。そうしたときに、NotebookLMで作ったスライドをChatGPT Imagesに渡して文字をきれいに整形する、という合わせ技もおすすめです。
Google AI Studio
次はGoogle AI Studioです。Googleが提供する開発者向けのAI環境です。
「私は開発者じゃないけど?」と思う人もいるかもしれませんが、開発者でなくても使えますし、とても便利です。
Google AI Studioのメリットは、ChatGPTやGeminiのチャット画面ではできないことができる点に尽きます。たとえば、動画や音声の文字起こし。現時点では、ChatGPTやGeminiのチャット画面に動画や音声をアップロードしても文字起こしはできませんが、Google AI Studioではこれができます。
ほかにも、Googleが新しく公開したAIをいち早く触れるメリットもあります。Geminiの新しいモデルや画像生成AI、テキストから音声を作るAIなどを試せます。
最後に注意点を一つ。Google AI Studioは基本的に無料で最新モデルを試せますが、入力した内容はAIに学習されます。大事な情報は入力しないように気をつけてください。APIを使って回避する方法もありますが、ひとまず「無料で最新モデルを試せるが、入力情報は学習される可能性がある」という点だけ覚えておきましょう。
プロンプト最適化ツール
次はプロンプト最適化ツール、いわゆるPrompt Optimizerです。optimizeは「最適化する」という意味で、文字通りプロンプトを最適化するツールです。
簡単に言うと、私たちが普段書いているプロンプトをAIが添削してくれる機能です。プロンプトを書くのは面倒だけれど、良いプロンプトを書きたい。だったら、AIに添削してもらってより良いプロンプトにしよう、というわけです。
かつては「プロンプトエンジニアリング」という言葉があったように、いかに良いプロンプトを書くかが重視されていました。今も良いプロンプトを書くことは大切ですが、現在は「プロンプトはAIに考えてもらう」という使い方をする人が増えています。AIチャットに相談する形でもいいですし、こうした専用ツールを使う方法もあります。プロンプトのテクニックそのものについてはプロンプトの書き方と回答精度を上げるテクニックも合わせてどうぞ。
いったんまとめ
ここまで紹介したツールの中で、特におすすめしたいものを挙げると、
- AI音声入力 → シンプルに業務スピードが速くなる
- NotebookLM → AIを使った情報整理に真価を発揮する
ひとまずこの2つはチェックすることをおすすめします。
ここから中級者向け
ここからは後半戦、中級者向けにおすすめしたいツールです。今は分からなくてもOKです。「こういうツールがあって、こういうことができるようになるんだ」という認識で読んでみてください。
Claude CoworkとCodex(デスクトップ型AIエージェント)
一つ目はClaude Coworkです。Anthropicが提供するデスクトップアプリで、パソコンにAIエージェントを常駐させられるツールです。デスクトップ型AIエージェントとも呼ばれます。
普段、私たちはChatGPTやGemini、Claudeをブラウザ上で操作していますよね。ブラウザ上で完結するので、たとえば「パソコンの中にあるワードのファイルをAIで直接修正する」といったことはできません。チャット上のAIでやろうとすると、ファイルをアップロードして、誤字脱字チェックを指示して、チェックされたファイルをダウンロードして、という手順が必要で、なかなか面倒です。
一方でClaude Coworkのようなデスクトップアプリでは、パソコン上のワードファイルにAIが直接アクセスし、誤字脱字の修正をその場で行えます。こんな具合に、パソコンのフォルダやファイルをAIが操作できるようになります。
同じようなデスクトップ型のツールはOpenAIも開発しています。少し紛らわしいのですが、ChatGPTではなくCodexという名前です。普段ChatGPTをよく使う人、特に有料プランに加入している人にはCodexがおすすめです。デスクトップ型AIエージェントは最近注目を浴びているので、これを機会にぜひチェックしてみてください。
なお、こうしたデスクトップ型エージェントを、よりエンジニア向けにしたものがClaude CodeやCodex CLIです。こちらはプログラミング作業がしやすいように作られています。エンジニアの方はClaude CodeやCodex CLI、エンジニアでない方はClaude CoworkやCodexを使う人が増えています。
なぜこの話をするかというと、パソコンにAIエージェントを常駐させて仕事を進める活用法が増えているからです。私たちはこれまで、AIと1対1でチャットの会話のキャッチボールをしてきました。それはそれで良いのですが、そこからさらに活用の幅を広げて、AIエージェントにタスクを自律的に遂行してもらう。人間が部下に仕事を振るように、AIに自律的に動いてもらう。そういった選択肢も持っておくのがおすすめです。
Ollama(ローカルLLMを動かすツール)
次はOllamaです。これは簡単に言うと、ローカルLLMを扱うためのツールです。
ローカルLLMは、手元のパソコン、つまりローカルな環境で動かせるAIモデルでした。入力した内容はAIに学習されず、無料で使え、データを外部に送信する必要もありません。特にクライアントやお客様の機密性の高い情報をAIに扱わせたい場合におすすめの選択肢です。
では、ローカルLLMを具体的にどう動かすのか。そのときに使うのがOllamaというわけです。ひとまず「ローカルLLMという無料かつパソコンの中だけで動かせるAIモデルがあり、それを動かすために使うツールがOllamaだ」と覚えておいてください。詳しい始め方はローカルLLMとは?で解説しています。
まとめ
以上、業務効率化に役立つおすすめのAIツールを紹介しました。
AIツールはとにかく数が多く、何を使うか迷うと思います。ここで紹介したもの以外にもたくさんありますが、今回は私が実際に使っているものの中から、汎用的に使えて業務に貢献するツールを選びました。気になったものがあれば、ぜひ一度試してみてください。