こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、生成AIの概要と、いま押さえておきたい最新トレンドについて触れます。
ChatGPTをきっかけに生成AIを触り始めた方も多いと思いますが、いざ業務で使おうとすると「どのAIを選べばいいのか」「何に気をつければいいのか」が意外と分かりにくいものです。この記事では、これからAIを業務に活用していくうえで土台になる知識を、次の3つのポイントに整理して解説します。
- 生成AIの概要と3大プレイヤー
- 生成AI利用時の注意点
- 生成AIの最新トレンド
生成AIとは?
そもそも生成AIとは何なのか、というところからスタートします。
生成AIと聞いて一番最初に思い浮かべるのは、やはりChatGPTだと思います。質問を入力すればAIが回答してくれる。しかも、その質問はジャンルを問いません。あらゆる質問に回答してくれます。
「今日の夕飯のレシピは何がいい?」「友人の誕生日プレゼントは何がいい?」といったプライベートな相談はもちろん、業務にも応用できます。「この文章の誤字脱字をチェックして」「この契約書を読んで、法的なリスクや私にとって不利な点を教えて」といった具合です。
私のこれまでの発信もそうですが、ここでは基本的に、生成AIをどう業務に使っていくかという視点を中心に話していきます。
生成AIの3大プレイヤー
生成AIには、基本的に3つの主要なプレイヤーがいます。
これから生成AIを使っていくうえで、まずはこの3つのプレイヤーをチェックすることをおすすめします。理由はシンプルで、この3つが国内外でよく使われており、生成AIの業界をリードしているからです。つまり、この3社を押さえておけば、最新のAIトレンドはおおよそ追えていることになります。
いずれのAIも使い方はとても簡単です。それぞれのサイトにアクセスし、チャット欄に質問を入力するだけで利用できます。
どれが一番いいの?
「では、この3つのうちどれが一番いいんですか?」という疑問は当然出てくると思います。生成AI業界でもよく議論されるテーマです。
ただ、私個人としては、基本的にどのAIを使っても問題ないと考えています。生成AIの進歩はとにかくスピードが速いからです。先月はOpenAIのChatGPTが非常に良いモデルを出してきたかと思えば、今月はGoogleのGeminiが新しいモデルを出してきて性能が良い、ということが日常的に起こります。
つまり、どれが一番使いやすいかは時期によって変わります。だからこそ、どのAIを使うかにリソースを割くよりも、AIをどう自分の業務に活用していくかにリソースを割く方がおすすめです。どのAIが一番かを追い続けるのは、いわばイタチごっこです。それよりも広い視点を持って、AIを自分の業務にどうフィットさせるかを考える方が建設的だと思います。
AIは併用がおすすめ
加えて、どれか一つに絞るよりも、複数のAIを併用することをおすすめします。メリットがいくつかあります。
一つは利用枠の問題です。各AIは基本的に無料で使えますが、最近は無料の利用枠が以前より厳しくなってきています。複数のAIを使い分ければ、トータルでより多くAIを利用できます。ちなみに現時点では、無料枠が大きい順にGemini、ChatGPT、Claudeという印象です。Geminiは無料枠が多く、Claudeはもっとも少なめです。
もう一つは、複数の視点が得られることです。これは私自身の経験ですが、ChatGPTで解決できなかった問題をGeminiが解決してくれた、ということはよくあります。もちろん逆もあります。アイデア出しや戦略を練るときも、一つのモデルに意見を出してもらうのではなく、複数のAIに意見を出してもらって掘り下げる、という使い方がおすすめです。
生成AI利用時の注意点
いまやAIは誰でも無料で使えますし、有料プランに加入しても月額20ドル前後、日本円で約3000円ほど、1日あたり100円程度です。より多く使えて最新機能も触れることを考えると、コストパフォーマンスは悪くないと思います。
これだけ気軽に使えるようになった分、利用者は爆発的に増えています。一方で、AIを使うときには大きく2つの注意点があります。
注意点1: AIの回答は必ずしも正解ではない
一つ目は、AIの回答が必ずしも正解とは限らないという点です。端的に言えば、AIは嘘をつくこともあります。これは業界用語で「ハルシネーション」と呼ばれます。幻覚を意味する言葉で、AIが誤った回答を出してしまう現象を指します。
これは生成AIが登場した当初から指摘されてきた問題で、最新モデルでも完全には克服されていません。ですから、使う側としては「AIの回答には誤りが含まれている可能性がある」という前提を常に持っておきましょう。
特に、AIが生成した回答を人間のチェックなしでそのまま外に出すのは避けるべきです。たとえば、AIに作ってもらったメールの下書きを、確認せずにそのままクライアントへ送ってしまう。これは使い始めの頃に起こりがちなミスなので注意しましょう。
注意点2: 入力情報のプライバシー
二つ目は、プライバシーの懸念です。AIに入力した情報は、AIの学習に利用される可能性があります。自分のプライベートな情報やクレジットカード情報の入力には注意が必要ですし、顧客情報や取引内容といった機密性の高い情報も、基本的には入力しないようにしましょう。
実は、入力内容を学習に使うかどうかは設定画面で変更でき、ある程度はユーザー側でコントロールできます。とはいえ、100%安全と言い切れるかというと、そこは微妙な問題です。
ユーザー側で取れる対策としては、プライバシーに関わる情報は入力しないこと、どうしてもクライアントの情報を扱う場合は会社のルールに則って使うことが基本です。なお、機密性の高い情報を扱いたい場合の選択肢として、手元のパソコンだけで動かせるローカルLLMという手もあります。これについては別の記事で詳しく解説しています。
最新トレンドはAIエージェント
最後に、生成AIの最新トレンドについてです。
その前に一つ大事なことを。AIを活用するうえで重要なのは、実際に自分の業務で使ってみることです。AIを使っていくと「この業務、AIで効率化できそうだな」というインスピレーションが湧いてきます。逆に言えば、使わない限りこの感覚は生まれません。
AIが出始めた頃は、業務に使えるかどうかをみんなが半信半疑で見ていた検証段階でした。ですが今は、使えるかどうかの検証フェーズは終わり、実際にどう活用していくかというフェーズに移っています。ソフトウェア開発の分野はAIがとてもよくフィットして活用が進んでいますが、それ以外の分野でも活用事例はじわじわ増えています。
そして、現在のトレンドを一言で表すキーワードが「AIエージェント」です。
AIエージェントとは、簡単に言うとAIを自律的に動作させて業務効率を高めるアプローチです。たとえば会社のメール業務を考えてみましょう。従来は、クライアントから届いたメールをChatGPTやGeminiのようなAIチャットに渡し、返信の下書きを作ってもらう。人間とAIが1対1で会話のキャッチボールをする使い方です。
AIエージェントになると、ここが大きく変わります。たとえばオンラインミーティングの日程調整をしているとき、AIエージェントが自律的に自分や同僚のカレンダーを読み取り、スケジュールを把握して先方に候補を提案します。先方がOKと返信すれば、ZoomなどのミーティングURLを発行して送信し、自分や同僚のカレンダーに確定した日程を書き込み、チームに周知してくれる。さらに必要な資料まで準備してくれる、というイメージです。
つまり、人間が1から10まで指示しなくても、AIが自律的にタスクをこなしていく。これがエージェント的な使い方です。
なぜこのトレンドを押さえておくべきかというと、AI各社が今まさにAIエージェントに力を入れており、近年リリースされるモデルもエージェント用にチューニングされているからです。これからAIを始める人は、まずAIと1対1で対話するチャットの使い方を入り口にしつつ、その先にあるエージェント的な使い方も見据えて学んでいくのがおすすめです。AIエージェントが企業の現場でどう使われているかは、AIエージェントの活用事例でも紹介しています。
まとめ
最後に、今回のポイントをまとめます。
- 生成AIには大きく3つのプレイヤーがいる。OpenAIのChatGPT、GoogleのGemini、AnthropicのClaudeの3つを押さえておけば、最新トレンドはおおよそ追える
- 利用時の注意点は2つ。AIの回答は必ずしも正解ではない(ハルシネーション)こと、そして入力した情報は学習される可能性があること
- 最新トレンドのキーワードはAIエージェント。AIが自律的に動作してタスクを遂行するアプローチで、これからは1対1の対話だけでなく、この使い方も見据えて学ぶのがおすすめ
まずはAIエージェントというものがあるんだ、という認識を持っておくだけでも十分です。AIと1対1で対話するだけでなく、自律的に動かす方法もあると知っておくと、これからのAI活用の幅がぐっと広がります。