こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、Googleが提供するAIツールNotebookLMの使い方と、利用時の注意点を解説します。
以前 NotebookLMとは?Googleの「AI搭載の情報整理ツール」をやさしく解説 では、NotebookLMがどういうツールで、なぜいま注目すべきなのか、という概要を扱いました。今回はその続きとして、実際にどう使っていくのかという実践的な内容に踏み込みます。これを読めば、NotebookLMを使うための土台がしっかり固まるはずです。
この記事で解説するポイントは、主に次の3つです。
- NotebookLMの始め方と基本的な使い方
- 各種機能と料金プランの説明
- NotebookLM利用時の注意点
なお、これから使い方を説明していきますが、おすすめは記事を読みながら実際にNotebookLMの画面を開いてみることです。一度画面を見ておくだけで、文章だけのインプットでも解像度がぐっと上がります。
NotebookLMの始め方は2ステップ
NotebookLMの始め方は、とてもシンプルです。
- NotebookLMのサイトにアクセスする
- Googleアカウントでログインする
これだけです。多くの方がGoogleアカウントを持っているので、サイトにアクセスすればすぐに使える状態まで持っていけます。こうした導入ハードルの低さも、NotebookLMの魅力のひとつです。
NotebookLMには「ノートブック」という概念があります。ユーザーは新しくノートブックを作成し、その中で作業をしていく形になります。ちょうどパソコンのフォルダーのようなイメージです。フォルダーを作って、その中に作業に必要なデータを入れて管理していく、という感覚に近いです。
つまり、まず私たちがやることはシンプルにひとつだけ。ノートブックを新規作成することから始まります。
画面は3つのエリアで構成されている
ノートブックを開くと、画面は左・真ん中・右の3つのエリアで構成されています。それぞれに役割がありますが、これも非常にシンプルです。
| エリア |
役割 |
できること |
| 左 |
情報ソース(入力) |
資料やファイルなどをアップロードする |
| 真ん中 |
チャット |
資料の要約を読む・AIに質問する |
| 右 |
アウトプット |
資料を別の形(スライド・動画など)に変換する |
左側は、資料やファイルを入力するエリアです。真ん中は、AIと会話をするチャットエリア。ここでアップロードした資料の要約を読んだり、AIに質問したりできます。
そして右側がアウトプットエリアです。ここは既存のChatGPTやGeminiといったAIツールにはないエリアなので、少しわかりにくいかもしれません。簡単に言うと、アップロードした資料やソースを別のものに変換できるエリアです。
たとえば、AIについて書かれた海外の英語論文(PDF)をNotebookLMに渡したとします。この論文を効率的にインプットしたいとき、右側のアウトプットエリアでポッドキャストに変換できます。ポッドキャスト以外にも、スライドや動画への変換も可能です。
どんなファイルを、どう使うのか
全体のイメージとしては、フォルダーの中にどんどん書類を投げ込んで、その情報をもとに答えてくれるAIを作るような感覚です。
投げ込めるファイルの種類は、かなり幅広く用意されています。
- PDF・画像・音声・動画
- ドキュメントファイル・CSV・PowerPoint・Markdown
- WebのURL・YouTubeのURL
仕事の現場では、PDFや画像、ドキュメントファイルを渡すことが多いと思います。たとえば会議の音声ファイルを渡して、「今回の会議で決まったこと」「次回に持ち越しになったNext Action」をまとめてもらう、といった使い方ができます。
ファイルサイズは、1ソースあたり200MBが上限です。20分ほどの音声ファイルでも、テキストで要約させたり、内容について質問したりできます。「このデータで話されているメリットは何ですか?」と聞けば、AIがアップロードした情報に基づいて回答してくれます。音声で聴くのが苦手な場合は、内容をスライドや動画に変換して理解することもできます。
このように、何かしらのファイルや資料を渡してAIに処理してもらう。書類の整理やインプットの最大化をAIで進められるのが、NotebookLMの強みです。
無料プランと有料プランの違い
使い方が簡単で無料ユーザーでも使えるため、NotebookLMは利用者がどんどん増えています。「有料プランはあるのか」という質問をときどき受けますが、有料プランは存在します。とはいえ、無料と有料の違いはそれほど大きくありません。ざっくり言うと、作成できるノートブックの数や、アップロードできるリソースの数が変わります。
ここで少しわかりにくいのが、NotebookLM単独の有料プランは存在しないという点です。NotebookLMの有料プランは、Geminiの有料プランと連動する形になっています。
たとえばGeminiの無料プランを使っている場合、NotebookLMも無料プランでの利用となります。無料プランでも、作成できるノートブックは100件、1ノートあたりのソースは50件と、上限はかなり大きいので、初めのうちはそれほど困らないはずです。
これがGeminiの低価格な有料プラン(月725円)になると、作成できるノートブックやアップロードできるソースの数が、おおよそ2倍になります。さらに月2,900円やそれ以上の上位プランになると、扱える数はもっと増えていきます。
| プラン |
ノートブック |
補足 |
| 無料 |
100件 |
ソースは1ノートあたり50件。入門には十分 |
| 月725円 |
約200件 |
ソースもおおよそ2倍。ヘビーユーザー向け |
| 月2,900円〜 |
さらに増加 |
大量に運用したい人向けの上位プラン |
判断の目安としては、無料プランを使っていてヘビーユーザーになってきた(もっとノートブックを増やしたい、一度にアップロードできるソースを増やしたい)タイミングで有料プランを検討する、という流れがおすすめです。足りなくなったら課金する、というイメージですね。
そして、これはNotebookLM単体の話ではなくGemini全体のプランなので、課金するとGoogleドライブの容量が増えたり、Gemini自体の利用上限が上がったりと、Google全体のツールがより使えるようになります。この点は他のAIツールにはない強みです。Geminiアプリとの連携については GeminiアプリにNotebooks機能が登場、NotebookLMとの双方向同期が可能に でも触れています。会社でGoogle Workspaceを使っている方は、NotebookLMも有料プランで使えるので、Geminiと合わせて業務効率化に役立てられます。
アップロードしたデータはどう扱われる?
仕事でNotebookLMを使うとき、いちばん気になるのが「アップロードした書類やファイルがどう扱われるのか」という点だと思います。
結論から言うと、NotebookLMにアップロードした資料は、AIの学習に使用されません。この点は安心して利用できる材料です。AIは、個人か法人か、無料プランか有料プランか、といった契約によって学習の扱いが変わることがありますが、NotebookLMについてはGoogle公式が明言しているとおり、ユーザーのプライバシー保護を優先する設計になっています。
とはいえ、会社でNotebookLMを使うときは、どういった情報をアップロードしていいのかを会社に確認するようにしましょう。社内資料の整理や個人情報の処理などは、NotebookLMに限らず他のAIでも同じですが、重要な書類を扱うときは自分の判断だけで進めず、会社のルールに則って処理することが大切です。
こうして改めて考えると、NotebookLMが多くの人に支持される理由がよくわかります。無料でも使えて、ユーザーの情報を学習しない設計になっていて、業務効率化に役立つ機能を多数備えている。人気なのも納得です。
NotebookLMの注意点
とても優れたプロダクトなので、致命的な注意点はあまりありません。それでもあえて挙げるなら、ハルシネーションには気をつけましょう、という点です。ハルシネーションについては 生成AIによく登場するキーワード9選 でも解説しています。
NotebookLMは、ユーザーがアップロードしたファイルや情報ソースのみを参照して回答します。そのため、通常のAIチャットに比べて誤った回答が出にくい設計になっています。ただし、資料に沿って生成されるからといって、絶対に間違いが起きないわけではありません。実際、Googleの公式ブログでも「すべてのAIと同様に、不正確な情報を生成する可能性があります」と明記されています。
NotebookLMは回答を出したときに、どの情報を引用してその回答を出したかを表示してくれます。社外に出す場合や、ミスが許されない場面では、表示された引用元を人間がチェックする運用を併用することをおすすめします。
もうひとつ、細かい点ですが、アウトプットには時間がかかります。アップロードした資料をポッドキャストや動画、スライドに変換するとき、それなりに待ち時間が発生します。AIとのチャットのやり取りは比較的速いのですが、動画やポッドキャストを生成する部分は特にスピードが遅いので、出力している間は別の作業を進める、といった割り切りも必要になります。
スマホアプリもおすすめ
ここまではNotebookLMをウェブ上で操作することを前提に説明してきましたが、NotebookLMにはアプリ版(iOS版・Android版)もあります。もっと活用したい方には、アプリ版のインストールもおすすめです。移動中でも、アプリで情報を整理できます。
特にポッドキャストを聴く習慣がある方には便利です。NotebookLMには、アップロードした資料からAIによるポッドキャストを生成する機能があり、それをアプリで聴くことができます。実際に生成されるポッドキャストは、2人のAIが会話しながら解説してくれるスタイルで、人間らしいやり取りのおかげで意外と聴きやすいものです(この機能については NotebookLMで自分専用ポッドキャストを作る で詳しく紹介しています)。
たとえば、途中から参加することになったプロジェクトの全体像を把握したいとき。資料をAIポッドキャストに変換して移動中に耳で聴き、不明な点はチャットで質問する、という使い方ができます。私自身も、海外のAI論文をAIポッドキャストに変換して、耳の空き時間にキャッチアップしています。分かりにくい情報や早く確認したい情報を、耳の空き時間でインプットできるのも、NotebookLMのメリットのひとつです。
まとめ
今回は、NotebookLMの使い方と注意点を解説しました。ポイントを振り返ります。
- ノートブックを新規作成して作業する — サイトにアクセスしてGoogleアカウントでログインするだけで始められる
- 画面は3つのエリアに分かれている — 左=入力、真ん中=チャット、右=アウトプット(別の形への変換)
- アップロードした情報はAIの学習に使われない — 安心して資料を渡せる。ただしハルシネーションはゼロではない点に注意
無料プランでも上限は十分に大きく、まずは気軽に試せます。他の活用アイデアは NotebookLMの活用アイデア6選 にまとめているので、あわせて参考にしてみてください。まだ触ったことがない方は、この記事を読んだあとに実際の画面を開いてみると、一気に解像度が上がるはずです。ぜひ試してみてください。