Gemini Notebook(旧NotebookLM)の共有機能とは?使い方・活用アイデア・注意点を解説

矢野 哲平

目次

こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では Gemini Notebook(旧NotebookLM)の「共有機能」について解説します。

Gemini Notebookの基本的な使い方はGemini Notebookとは?や使い方と注意点に、日々の運用のコツは使いこなす6つのコツに、資料を別フォーマットに変換する機能はStudio機能にまとめています。ただ、共有機能についてはまだ詳しく触れていませんでした。

この共有機能は、使わなくてもGemini Notebookを問題なく使えます。しかし共有機能を知っておくと、Gemini Notebookのポテンシャルをもう一段引き出せます。とくに業務で、会社やチームでGemini Notebookを使う人にはおすすめの機能です。

この記事で扱うのは次の3点です。

  1. Gemini Notebookの共有機能とは何なのか
  2. 共有機能で何ができるようになるのか(活用アイデア5選)
  3. 共有機能を使う上での注意点

Gemini Notebookの共有機能とは

共有機能は言葉そのままで、Gemini Notebookで作成したノートブックを他の人に共有できる機能です。

私たちはGemini Notebookにファイルなどの情報を集約し、そこでAIとやり取りします。この使い方が想定しているのは自分ひとりですが、そこに他のユーザーも参加させられる。それが共有機能です。

具体例で見ていきましょう。たとえば、これまで公開してきた記事や資料をひとつのノートブックに集約したとします。すると、過去に扱ったテーマについてAIに質問できるようになります。

過去の記事でAIエージェントを取り上げたものはありますか?

こう聞くと、ノートブックが「該当する記事はこれとこれです。要約しましょうか?」と返してくれる。そのコンテンツのことなら何でも答えてくれるAIチャットボットを、自分で簡単に作れるわけです。

ここからが共有機能の話です。こうして作ったノートブックは、そのまま第三者に共有できます。読者の方に「このテーマについて何でもAIが答えてくれるノートブックを作ったので、ぜひ使ってみてください」と渡す。そんな使い方ができます。

今回は一例として自分のノートブックを読者に共有するケースを挙げましたが、実際の仕事の現場ではプロジェクトメンバー全員とノートブックを共有して資料を効率的に整理する、みんなでGemini Notebookを使って業務を進める、といった使い方ができます。

共有機能の使い方

使い方はとても簡単です。ノートブックの画面右上に「共有」ボタンがあるので、こちらをクリックするだけです。

なお、この共有機能はGemini Notebookの無料ユーザー・有料ユーザーどちらも利用できます。

共有には2つのパターンがある

共有の方法は2パターンあります。

共有パターン 共有できる相手
特定のユーザーを招待する 招待した人だけ
不特定多数に公開する リンクを知っている人

ただ、ここでひとつ注意点があります。不特定多数への一般公開ができるのは個人アカウントのみです。

会社で使うような Google Workspace のアカウントでは、ノートブックを不特定多数の人に公開することはできず、同じ組織の中での共有に制限されます。会社のノートブックが誰でも見られる状態になるのを防ぐためです。

権限も設定できる

共有するときには権限の設定もできます。たとえば共有した相手が情報ソースは編集できないようにする、質問のみできるようにする、といった調整です。

厳密に言うと、共有レベルの細かい設定は無料プランと有料プランで変わってきます。有料プランのほうが権限を細かく設定できるので、この点だけご注意ください。

共有機能の活用アイデア5選

では、共有機能を使うとどんなことができるようになるのか。ここからは具体的なユースケースを5つ紹介します。

1. チームの共有ナレッジベースをつくる

1つ目は、チームでプロジェクトの共有ナレッジベースを構築する使い方です。

プロジェクトに関する企画書、議事録、リサーチ資料、競合の調査資料。そういったものをGemini Notebookにまとめて共有することで、メンバーがリアルタイムでソースを追加したり、AIの要約を活用したりできるようになります。プロジェクトに関する情報と知識を一箇所にまとめ、誰でも参照できる状態にするイメージです。

共有フォルダを使って資料をチーム全体で共有する。こうした使い方をしている会社やチームは多いと思います。ですがGemini Notebookの共有機能を使うと、その共有フォルダをもう一段上の段階に持っていけます。

簡単に言えば、チームの共有フォルダにAIも参加させられるということです。この使い方が汎用的で、かつ強力だと思います。

2. 製品マニュアル・社内マニュアルを共有する

2つ目は、製品マニュアルや社内マニュアルの共有です。マニュアルをノートブックに入れて共有し、社員がそこに質問して自己解決できる環境を構築します。

この使い方はGoogleの公式でも紹介されていました。とあるカフェがエスプレッソマシンのマニュアルをノートブックにアップロードし、それをスタッフ全員に共有したという事例です。マシンが故障した、使い方がわからない。そういったときにスタッフが上司に質問するのではなく、AIに質問する環境を作ったわけです。

この使い方は幅広く応用できます。社内のパソコンやプリンターといった機器のマニュアルを共有する、社内規程やマニュアルを共有する。そうすることで、社員がAIに質問して自己解決できる環境を構築できます。

もしAIに質問しても解決できないことに関しては、普段どおり上司や担当部署に質問する。つまり、人間に質問する前にAIでワンクッション挟む設計にできるということです。

3. メディアの新しいコンテンツ配信の形

3つ目は、出版社やメディアによる新しいコンテンツ配信の形です。

具体例を挙げると、The Economistの年次レポート『The World Ahead』の人気コラムをノートブックで共有し、読者が質問しながらコンテンツを読み進める体験を提供している、というものです。

これは面白い使い方だと思います。Morning AIのコンテンツをノートブックに読ませて、読者がAIに質問できる仕組みを作る。そんな応用も考えられます。ただ、これまで公開してきた記事はかなりの分量があるので、ノートブックを分割するか自前で構築するかになりそうです。とはいえ、こうした配信の形があるということは知っておいて損はありません。

4. 授業・グループ学習に使う

4つ目は教育現場での活用です。先生が教材をまとめたノートブックを生徒に共有し、生徒が自分でAIに質問できる環境を構築する。これもGoogle公式で紹介されている内容です。

この使い方は先生から生徒への共有ですが、生徒同士でノートブックを共有する形も面白いと思います。

仲の良いグループや同じ勉強の目的を持った人同士でグループを作り、各自が勉強した内容やノートに取った内容をノートブックに集約していく。つまり、グループ学習にノートブックを使うアイデアです。

これは学生の方だけの話ではありません。勉強会や朝活をやっている社会人の方も多いと思います。そういった場で発表内容や学習内容、独自に集めた情報をみんながノートブックに集約していけば、グループ全体の学習効率の底上げを図れます。AIを学習に使う方法はAIは勉強に活用できるのか?でも掘り下げています。

5. カスタマーサポートで使う

5つ目はカスタマーサポートでの利用です。

過去に問い合わせがあった内容、製品の情報、カスタマーサポートに関する業務マニュアル。そういったものを全部ノートブックに集約して、顧客から問い合わせがあったときに担当者がAIに相談しながら応対します。情報を集約することで、サポート対応の足並みを揃えることに活用できます。

今までになかった問い合わせのケースが出てきたときは、人間が対応して解決し、そのケースをまたノートブックにフィードバックする。こうすることで、次に同じような問い合わせがあった場合でも対応できるようになります。サポート業務そのものを自動化する方向の話はAIエージェントでコールセンターを自動化するでも扱っています。

共有機能を使う上での注意点

ここまで便利な面を見てきましたが、一方で注意点もあります。Gemini Notebookに限らず、誰かと共有するということは潜在的なリスクを抱えることでもあるからです。

権限レベルの設定ミス

まず、共有の権限レベルを間違えて設定してしまうケースです。本来であれば特定の人のみに共有するはずが、間違えて第三者も閲覧できる状態で共有してしまう。よくある失敗です。

ちなみにGoogle公式も、共有機能を使う場合は機密性の高い情報ソースをGemini Notebookに入れないように推奨しています。

「見えない」と「アクセスできない」は違う

なぜ機密情報を入れてはいけないのか。ここが今回いちばんお伝えしたい部分です。

先ほどお伝えしたように、Gemini Notebookは権限レベルを細かく設定できます。情報ソースを編集できる人、情報ソースは見られないけれどチャットだけ使える人、といった具合です。

ただしGoogle公式は、この点についてこう説明しています。情報ソースが見られない人でも、あくまで表示上の制限であって、情報ソースにアクセスする権利が完全に失われているわけではない、と。

さらに続けて、次のような説明もされています。

通常ではない操作により、非表示の資料にアクセスする方法を見つけてしまう可能性があります。

ここは結構な盲点だと思います。Gemini Notebookに機密性の高い情報をアップロードして共有した場合でも、しっかり権限レベルを設定しておけば問題ないだろう。普通はそう考えますよね。でもこの考えは、公式の説明を踏まえると誤りだとわかります。

なので共有機能を使う場合は、そもそも漏えいしたら困るような資料は使わない。Google公式もそうアナウンスしています。

共有の解除漏れ

もうひとつが共有の解除漏れです。共有の解除漏れや設定ミスを防ぐ仕組みは、現状Gemini Notebook上にはありません。

つまりGemini Notebookの外でしっかり管理する必要があるということです。誰に何を共有しているかを記録し、解除漏れがないように運用でカバーしていくしかありません。

組織で使うなら個人アカウントは避ける

組織でGemini Notebookを使う場合は、個人アカウントでの運用は避けたほうがいいと思います。

たとえばその人が退職して辞めてしまった場合、データは個人アカウントに残る形になります。組織で使うのであれば、Google Workspaceなど組織が管理できるアカウントで運用するようにしましょう。

そしてこれはGemini Notebookに限らず、他のAIツールでも言えることです。何をAIにアップロードしてよいのか、どういった情報を共有してよいのか。こうしたことは社内でしっかり明文化して、周知していくことをおすすめします。

まとめ

Gemini Notebookの共有機能について解説しました。ポイントを整理します。

  1. Gemini Notebookには共有機能があり、社内の人間や第三者にノートブックを共有できる
  2. 共有機能は無料・有料に関係なく使うことができ、ノートブック右上の共有ボタンから誰でも利用できる
  3. 共有機能を使う場合は、共有の権限が正しく設定されているかなど運用面の注意も必要

チームや組織でGemini Notebookを使っているなら、共有機能は試す価値があります。まずは差し支えのない資料をまとめたノートブックから、メンバーに共有してみてください。ほかの活用アイデアはGemini Notebookの活用アイデア6選にもまとめているので、あわせて参考にしてみてください。

関連記事

  1. Gemini Notebook(旧NotebookLM)のStudio機能とは?9つの変換フォーマットを解説

    Gemini Notebook(旧NotebookLM)のStudio機能を解説。アップロードした資料をポッドキャスト、動画、スライド、データテーブルなど9つのフォーマットに変換できます。それぞれの使いどころもあわせて紹介します。

  2. 10月14日に更新

    Gemini Notebook(旧NotebookLM)を使いこなす6つのコツ|ファイル管理から逆質問まで

    Gemini Notebook(旧NotebookLM)を使いこなすコツを6つ紹介。Googleドライブでのファイル管理、自動ラベル付け、新機能コレクション、AIへの逆質問まで解説します。

  3. 7月28日に更新

    Gemini Notebook(旧NotebookLM)の活用アイデア6選

    GoogleのAI情報管理ツールGemini Notebook(旧NotebookLM)の活用アイデアを6つ紹介。音声概要での耳学習、社内マニュアル、利用規約のチェック、学習、面接ロールプレイ、議事録作成まで、私の実例と国内外の事例を交えて解説します。

新着記事

  1. Gemini 4 Carbonとは?Argonを上回るGoogleの最上位モデルの特徴と、いつ使えるのかをわかりやすく解説

    Googleが10月28日(現地時間)に発表した新モデル「Gemini 4 Carbon」を整理します。軽量版ではなくArgonを上回る最上位モデルで、特にサイバーセキュリティと長時間のエージェント作業に強いのが特徴です。今は審査済みの専門家向けの限定公開で、一般公開の時期と導入価格もあわせて解説します。

  2. Claude Codeのultrathinkが変更

    Claude Codeのultrathinkが、2.1.311からそのターンのeffortを実際にxhighへ引き上げるようになりました。今の仕様、効く条件と虹色の表示、31,999トークンの時代からの変遷、よくある誤解、/effortとの使い分けを解説します。

  3. Grok Botの活用アイデアまとめ

    AIエージェント「Grok Bot」の活用アイデアまとめ。公式が紹介する営業・採用・サポートなどのビジネス向けと、Cursorと組み合わせるエンジニア向けの使い方に加え、筆者が実際にやっているX連携・ダイエットの記録・勉強・他社のAIエージェントとの連携などを紹介します。

  4. Grok Botの始め方と使い方

    AIエージェント「Grok Bot」の始め方と使い方を実体験から解説。料金と使えるプラン、Xと連携した情報収集やAIポッドキャストなどおすすめの使い方、記憶の整理でミスを減らすコツ、買い物の自動化がまだ難しい理由までまとめます。

  5. Claude Duetとは?Anthropicのクラウド型AIエージェントと、各社の動きをまとめて解説

    Anthropicが発表した先回り型のAIエージェント「Claude Duet」の仕組み、承認の仕組み、誰がいつ使えるのかを整理します。あわせてGrok Bot・Muse・dots・Gemini agentと続くクラウド型AIエージェントの流れと、今試すならどれかを解説します。

  6. Gemini NotebookはGoogleドライブのどこまで参照する?フォルダとファイルの参照範囲を解説

    Gemini Notebook(旧NotebookLM)とGoogleドライブを連携した時、AIはどこまで情報を参照するのか。指定していないフォルダまで読まれることはあるのか、連携の単位から整理します。

  7. Gemini 4 ArgonはChatGPTやClaudeと比べてどうなのか?公式比較・外部評価・得意不得意を解説

    Googleの最上位モデルGemini 4 Argonを、ChatGPT(GPT-6 Astra)やClaude(Fable 5.1・Opus 5.5)と比較。Googleの公式比較、Artificial AnalysisやVals AIなど外部の評価、実際に使った感想から、Argonの得意なこと・不得意なことを整理します。

  8. Google AI Studioで作ったAndroidアプリを自分のスマホに入れられるように|開発者アカウント不要

    10月13日のGoogle Playの発表で、Google AI Studioで作ったAndroidアプリを自分のスマホにインストールして使えるようになりました。開発者アカウントは不要で、アプリは非公開。何が嬉しいのか、在庫チェックや日報など自分専用の業務アプリの例と、地域・年齢の注意点を解説します。

  9. SynthIDとは?TIMEの「Best Inventions 2026」に選ばれたGoogleの電子透かしをわかりやすく解説

    GoogleのSynthIDが、TIME誌の「Best Inventions 2026」に選ばれました。AIが作った画像・音声・動画・テキストに目に見えない電子透かしを入れる技術で、これまでに1,800億件以上に適用されています。何ができるのか、私たちユーザーにとって何が大事なのかを解説します。

  10. MetaのMuseとは?モデルのMuse Spark・Muse Wonderと、パーソナルAIアプリのMuseをわかりやすく解説

    Metaが今年から本格展開しているAI「Muse」を整理します。Museはモデルの名前でもあり、アプリの名前でもあります。Muse SparkとMuse Wonderの違い、アメリカでStore1位になったパーソナルAIアプリのMuse、日本で使えるのはどこまでか、中小企業での活用事例、キーマンのアレクサンダー・ワン氏まで解説します。

AIニュースの最新情報を毎日チェック