Claude Duetとは?Anthropicのクラウド型AIエージェントと、各社の動きをまとめて解説

矢野 哲平

目次

こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、Anthropicが10月22日に発表した新しいプロダクト「Claude Duet(クロード・デュエット)」について解説します。

Claude Duetを一言で言うと、クラウドの上に自分専用のパソコンを持って動作するAIエージェントです。

「どこかで聞いたことがある」と感じた人もいると思います。実はOpenAIのdots、MetaのMuse、SpaceX AIのGrok Botなど、同じようなものをAI各社が先に公開しています。そこへ、いよいよAnthropicも参入してきた形です。

そこでこの記事では、Claude Duetの中身と合わせて、各社が出してきている「クラウドで動き続けるAIエージェント」の領域も改めて整理します。

なお、この領域の呼び方は「常時稼働型AIエージェント」「パーソナルAIエージェント」「先回り型エージェント」などさまざまです。この記事では、暫定的に「クラウド型AIエージェント」という呼び名で統一します。

Claude Duetとは?「先回り型」のAIエージェント

Anthropicの説明では、Duetは「先回り型のAIエージェント」とされています。簡単に言うと、こちらが聞く前に、向こうから動いてくれるAIです。

これまでのClaudeやChatGPTは、こちらがチャットを開いて質問し、答えが返ってくるものでした。基本的には「呼んだら作業してくれるアシスタント」です。

Duetでは、この関係が逆になります。Anthropicの公式の説明を引用すると、「Claudeアプリはあなたが来るのを待っている。Duetはあなたのところへ来る」。つまり、呼んだら来るアシスタントではなく、自分から報告に来る秘書のような存在です。

これまで
呼んだら来るAI
ClaudeやChatGPTは、こちらがチャットを開いて質問すると答えを返す
こちらから呼びに行く
画面を開いている間だけ動く
Claude Duet
自分から来るAI
クラウド上の専用パソコンで動き、聞く前に向こうから報告に来る
要点や対応すべきことを知らせに来る
スマホやパソコンを閉じていても働く
「Claudeアプリはあなたが来るのを待っている。Duetはあなたのところへ来る」

Claude Duetができること

公式が挙げているのは、大きく3つです。

  1. 毎朝のブリーフ — つないでおいたGmailやSlack、Googleカレンダーを見て、今日やるべきことや要点を整理して送ってくれます
  2. 日中の見張り — 連携したアプリを数時間おきにチェックし、こちらが対応すべきことがあった時だけメッセージをくれます
  3. 頼んだ仕事の実行 — こちらが頼んだ仕事を、クラウド上で進めてくれます

3つ目の例として紹介されているのは、次のような依頼です。

  • 「メールの受信箱から、読まなくていいものを片付けて」
  • 「未払いの請求書を調べて、催促メールの下書きを作って」
  • 「午後2時の打ち合わせの前に、この会社の情報をまとめて」

スマホを開いていなくても、パソコンの前にいなくても、AIがクラウド上で仕事を進めてくれる。聞くだけで業務効率が上がりそうです。

AIに自由に任せて大丈夫?「承認」の仕組み

普段AIを使っている人ほど、「そんなにAIに自由に仕事をさせて大丈夫なのか」「暴走して仕事が台無しにならないか」という疑問を持つと思います。AIに仕事を任せるとしても、人間のチェックは挟みたい場面があります。

この懸念に対して、Claude Duetは「承認」の仕組みを入れています。

操作の種類 Duetの動き
メッセージの送信、支払い、データの削除など、取り返しのつかない操作 実行する前に、必ず「これでいいですか?」と聞いてくる
株の売買、口座間の送金 人間が承認しても、やらない

勝手にメールを送ることはなく、さらに一部の操作はそもそも引き受けない、という線引きです。

どこで動くのか?中のモデルは固定

Duetが動いているのは、Anthropicのクラウドの上です。Duet専用の仮想マシン、簡単に言うとクラウド上に自分専用のパソコンが1台あり、専用のブラウザも付いています。

そのため、自分のスマホやパソコンの電源が切れていても、インターネットにつながっていなくても、Duetは働き続けることができます。

ちなみに、中で動くモデルはClaude Opus 5.5です。意外なことにモデルは固定で、ユーザーが選ぶことはできません。

実際のユーザーの事例

公式が引用していた事例に、ある不動産の事業者の話があります。本人が頼んでもいないのに、日付を間違えて登録していた内見の予定を、Duetが指摘してくれたそうです。

人間のミスを、言われる前にAIが気づかせてくれる。こうした体験ができるのは、クラウド上で24時間稼働できるAIエージェントならではと言えます。

Claude Duetは誰がいつ使えるのか

残念ながら、執筆時点では日本ではまだ使えません。

  • Duetは「研究プレビュー」という位置づけで、お試し版の提供です
  • 日本ではウェイトリストで登録待ちの状態です(アメリカ以外の国では、まだ展開されていません)
  • 使うには、ClaudeのProかMaxプランに入っていることが条件です。料金はAnthropicの料金ページで確認できます

個人的な願望も込みですが、近いうちに日本でも使えるようになると予想しています。

クラウド型AIエージェントが一気に増えた2か月半

Duetのようなクラウド型のAIエージェントは、2026年の夏から秋にかけて一気に登場しました。

8月
Grok Bot
9月
Muse
9月末
dots
10月
Gemini agent
10月
Claude Duet
2026年の夏から秋にかけて、各社がクラウド型AIエージェントを相次いで公開
時期 会社 サービス
8月 イーロン・マスク氏のSpaceX AI Grok Bot
9月 マーク・ザッカーバーグ氏のMeta Muse
9月末 サム・アルトマン氏のOpenAI dots
10月 Google Cloud Gemini agent(企業向け)
10月 Anthropic Claude Duet

共通しているのは、クラウドの上に専用のコンピューターを持ち、そこで常時稼働するAIエージェントだという点です。

去年は、パソコンの中のファイルを操作するAIコーディングエージェントが一気に広まりました。CodexやClaude Codeなどです。一方で2026年は、夏ごろからクラウド型のAIエージェントが一気に普及しています。

今こそ、AIエージェントを1つ触ってみる

仕事を効率化する、AIの活用の幅を広げるという意味では、どれか1つAIエージェントのツールを触ってみることをおすすめします。

Claude CodeやCodexを使ったことがある人は実感していると思いますが、ChatGPTのようなチャット画面でAIと1対1で対話しながら進めるやり方と、AIエージェントを使って仕事を進めるやり方には、すでにかなりの開きがあります。成果物の精度も、できることの幅も段違いです。同じAIなのに、アプローチが違うだけでこんなに違うのかと感じています(両者の違いはAIエージェントとは?でも解説しています)。

そうしたAIエージェントを比較的簡単に導入できるのが、今回のクラウド型AIエージェントです。24時間自宅のパソコンを稼働させて、AIをプログラムで制御する、といった面倒なことはしなくて大丈夫です。すでに使っているChatGPTやClaude、Grokの延長で使えます。

料金の比較

ただし、料金にはかなり差があります。

月額の料金(ドル)
OpenAI dots
100ドル(約1.6万円)
Grok Bot
30ドル(約5,000円)
Claude Duet日本ではまだ使えない
20ドル(約3,000円)
円は執筆時点のレートでの概算。日本で今すぐ試すならGrok Botが入り口になる
  • OpenAIのdots:100ドル(執筆時点のレートで約1.6万円)
  • Claude Duet:20ドルから(約3,000円)。ただし日本ではまだ使えない
  • Grok Bot:30ドル(約5,000円ちょっと)

最初の入りにはGrok Botがおすすめ

最初の入り口としては、GrokのGrok Botも面白いと思います。

Grok Botもクラウド上で動作するAIエージェントで、導入のハードルはかなり低めです。5,000円ほどの費用はかかりますが、プランに加入し、パソコンにアプリをインストールして立ち上げると、最初に「メールの連携をしましょうか」と聞いてきます。

連携をOKすると、Grok Botがメールの中身を見て、「私はこんなことができます」と提案してくれます。この体験が結構面白いんです。

「AIエージェントを導入したら何ができるの?」と疑問に思う人は多いと思いますが、Grok BotはAIエージェント自身が「あなたのメールを見て、こういうことができます」と教えてくれます。こうした導入の支援は、AIエージェントのプロダクトならではという感じがします。

複数のエージェントを24時間動かせる

Grok Botでは、複数のエージェントを作ることができます。

  • メールを監視するエージェント
  • 特定のWebサイトの情報を監視するエージェント
  • XからAIのトレンドをチェックするエージェント

こうしたエージェントを24時間稼働させられます。面白いのは、それぞれのボットが連携したり、代表のボットを作って窓口を1つに絞ったりできる点です。複数のエージェントが連携する使い方はAIエージェントチームの記事でも触れています。

さらに、Grok Botはスマホのアプリからも操作できます。思いついたことを外出先でエージェントに指示したり、信号待ちや電車に乗っている時に、エージェントからの報告をパッと確認できたりするのも魅力です。

実際に触ってみると、「AIエージェントはすごい」と肌で実感できるのでおすすめです。

まとめ

  1. Anthropicから、クラウド型のAIエージェント「Claude Duet」が公開されました。聞く前に向こうから動く「先回り型」で、取り返しのつかない操作の前には必ず承認を求めます
  2. Claude Duetは月額20ドルのProプランから使えます。ただし執筆時点では研究プレビューで、アメリカ以外の国では展開されていません
  3. クラウド型AIエージェントの領域は、2026年夏から一気に盛り上がっています。1対1のチャットではなく、裏側で24時間エージェントが稼働する働き方へシフトしていくのがおすすめです

日本で今すぐ試すなら、Grok Botが入り口になります。ぜひ1つ、AIエージェントを触ってみてください。

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