こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、Claude Code の ultrathink について解説します。
10月27日に公開されたClaude Codeの2.1.311で、ultrathink の動きが変わりました。プロンプトに ultrathink と書くと、そのターンだけ、思考の深さ(effort)が実際に xhigh まで上がるようになっています。
ultrathink は、2025年に登場してから何度も意味が変わってきたキーワードです。そのため、ネット上には古い説明もたくさん残っています。この記事では、今の仕様と、これまでの変遷、よくある誤解、使い分けを整理します。
先に結論です。
今の ultrathink は、そのターンだけeffortを xhigh に上げる合図です。上がるのは xhigh までで、max にはなりません。セッションの設定も変わりません
上がるのは、対話型のターミナルで、AnthropicのAPI経由のOpus 5.5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5・Fable 5.1を使っているときです。上がるときは、文字が虹色になります
think や think hard は、もうキーワードではありません。普段の深さは /effort で決め、難しい1ターンだけ ultrathink を足す、という使い分けが公式の説明に沿っています
ultrathinkとは?今の仕様
公式ドキュメント によると、プロンプトのどこかに ultrathink を入れると、セッションのeffortの設定を変えずに、そのターンでより深く考えるよう求められます。
具体的には、次の2つが起きます。
会話の中に「このターンはより深く考えて」という指示が1つ足される
条件がそろっていれば、そのターンのeffortが xhigh に上がる(2.1.311以降)
2つ目が今回の変更点です。ドキュメントには「Requires Claude Code v2.1.311 or later」と書かれているので、古いバージョンを使っている人はアップデートしてください。
Claudeが作業している最中に ultrathink と打った場合は、そのターンの残りの作業が引き上げられます。作業の途中で「ここは慎重にやってほしい」と思ったら、その場で打てるわけです。
effortの5段階と、ultrathinkの行き先
effortは、Claudeがどれだけ深く考え、どれだけ作業するかを決める設定です。Anthropicの記事 では、effortは考える時間だけでなく、読むファイルの数や使うツール、ユーザーに戻るまでに進める手順の数など、作業全体の量を左右すると説明されています。
Opus 5.5などの対応モデルでは、effortは low・medium・high・xhigh・max の5段階です。
maxいちばん上
xhighultrathinkの行き先
high検証を厚く
medium5.5系の既定
low速さ優先
難問向け。考えすぎに注意
そのターンだけここへ上がる
既存コードのバグ修正
範囲のはっきりした実装
ブレストや小さな変更
maxいちばん上
xhighultrathinkの行き先
high検証を厚く
medium5.5系の既定
low速さ優先
難問向け。考えすぎに注意
そのターンだけここへ上がる
既存コードのバグ修正
範囲のはっきりした実装
ブレストや小さな変更
effortの5段階。ultrathinkで上がるのはxhighまでで、maxにはならない
いちばん上の max は、人の手を借りずに難問を解かせたいときの段階です。ただし公式は、効果が頭打ちになることがあり、考えすぎやすいので、広く使う前に試すよう注意しています。
Opus 5.5 ・Sonnet 5.5 ・Haiku 5.5の既定のeffortは medium です。そのため、これらのモデルでは、ultrathink は「medium から xhigh へ」と2段階上げる合図になります。
なお、effortの目盛りはモデルごとに調整されていて、同じ xhigh でもモデルが違えば中身は同じではありません。Opus 4.6とSonnet 4.6には xhigh がなく、4段階です。xhigh が追加された経緯は、Claude Opus 4.7が登場 の記事で触れています。
上がるときは虹色になる
ultrathink がeffortを上げられる状態のとき、プロンプトの中の ultrathink が虹色で表示されます。2.1.311からは、上げられる場面でだけ虹色になるように変わりました。引用符の中や、ファイルのパスの一部として書いた場合は虹色になりません。
effortを上げられるときは虹色になる
> こ の バ グ の 原 因 を 調 べ て u l t r a t h i n k
引用符の中に書くと虹色にならない
> " u l t r a t h i n k " っ て ど う い う 意 味 ?
effortを上げられるときは虹色になる
> こ の バ グ の 原 因 を 調 べ て u l t r a t h i n k
引用符の中に書くと虹色にならない
> " u l t r a t h i n k " っ て ど う い う 意 味 ?
Claude Codeの入力欄での表示の再現。effortを上げられる場面でだけ、ultrathinkが虹色になる
つまり、虹色かどうかを見れば、effortが上がるかどうかが分かります。ただし虹色は「上げられる状態」を示すもので、答えの質を約束するものではありません。
上がらないときに確認すること
虹色にならないときは、次の点を確認してください。
モデル:Opus 5.5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5・Fable 5.1のどれかか。違うなら /model で切り替える
接続先:AnthropicのAPI経由か。Amazon Bedrockなどを経由している場合は上がらないので、/effort で設定する
書き方:引用符・括弧・パス・コマンドの中に書いていないか。/ で始まるプロンプトになっていないか
上限の設定:環境変数 CLAUDE_CODE_EFFORT_LEVEL、自分の maxEffortLevel、組織の上限が xhigh より低くないか
今の設定:すでに xhigh や max で動いていないか(公開されているコードを見る限り、今のeffortが xhigh より低いときだけ上がる仕組みです)
thinkやthink hardはもうキーワードではない
今の公式ドキュメントでは、think・think hard・think more などの言葉は、キーワードとしては扱われません。ふつうの文として、そのままClaudeに渡されます。キーワードとして認識されるのは ultrathink だけです。
スキル の本文に ultrathink を書くと、そのスキルを実行するときに深く考えるよう求められます。ただし、スキルに書いた場合にeffortまで上がるかは、公式に明記されていません。スキルのeffortを決めておきたいなら、フロントマターの effort: で指定する方法があります。
ultrathinkの変遷
ultrathink がややこしいのは、時期によって意味がまったく違うからです。
ultrathinkの意味は何度も変わってきた。いまは、そのターンだけeffortをxhighに上げる合図
2025年:思考トークンを31,999にする合図
ultrathink がCHANGELOGに初めて載ったのは、2025年3月の0.2.44です(コード自体は、npmに残っている最も古い版にすでにありました)。当時は「think」「think harder」「ultrathink」と言うだけで、思考モードで計画を立てさせられる、と説明されていました。
2025年4月のAnthropicのブログ では、「think < think hard < think harder < ultrathink」の順に、使える思考の量(思考予算)が増えると説明されています。ただ、当時公開されていたコードを見ると、実際の段は3つでした。think が4,000トークン、think hard などが10,000トークン、think harder と ultrathink が同じ31,999トークンです。
「ultrathink=31,999トークン」という説明は、この頃のものです。
2026年1月:実質的に何もしなくなる
その後、思考モードは既定でオンになっていきます。2025年12月の2.0.67では、Opus 4.5で思考モードが既定でオンになりました。思考がオンなら、もともと31,999トークンの思考予算が使われるので、ultrathink を書いても違いが出ません。
2026年1月5日には、AnthropicのBoris Cherny氏がXで「思考はどこでも既定でオンになっている。ULTRATHINKはもうあまり何もしない」と投稿 しています。
公開パッケージのコードを見ると、1月15日の2.1.8で、「思考をオフにしていても、ultrathink で1回だけオンにする」処理がなくなり、「Ultrathink no longer does anything」という通知が入りました。1月17日には、公式リポジトリのissue で、Anthropic側の担当者が「ultrathinkは非推奨(deprecated)になった」とコメントしています。
この変更はCHANGELOGには載っていません。
2026年3月:effortの合図として復活
2026年3月4日の2.1.68で、ultrathink は復活します。CHANGELOGには「次のターンでhigh effortを有効にするキーワードとして、ultrathinkを再導入した」と書かれています。同じ版で、Opus 4.6のMaxとTeamプランの既定のeffortが medium に下がっていて、1回だけ深く考えさせたいときの手段として戻ってきた形です。
ここで中身が「思考トークンの量」から「effort」に変わりました。
ただし、公開されているコードを調べた範囲では、2.1.68から2.1.310までの ultrathink は、会話に「深く考えて」という指示を足すだけで、effortの設定そのものは切り替えていませんでした。CHANGELOGには「high effort」と書かれていますが、実際にeffortを切り替える処理が入ったのは、今回の2.1.311が初めてです。
2026年10月:xhighに引き上げるように
その間の2026年4月には、2.1.111でOpus 4.7向けに xhigh が追加されました。high と max の間の段階です。
そして10月27日の2.1.311(公式のchangelogページの日付は10月26日)で、ultrathink はそのターンのeffortを xhigh に引き上げるようになりました。虹色の表示も、上げられる場面でだけ出るように変わっています。
よくある誤解
ultrathink は意味が何度も変わったので、古い説明や誤った説明がまだ多く見られます。
よくある説明
実際
ultrathinkは思考トークンを31,999にする
2026年1月までの説明。今は思考予算ではなく、effortを上げる合図
think < think hard < ultrathink の順に深くなる
今の公式ドキュメントでは、thinkやthink hardはキーワードではない
ultrathinkはeffortを最大にする
上がるのはxhighまで。いちばん上はmax
xhighが最高の段階
xhighはhighとmaxの間。最高はmax
ultrathinkを打つとセッションのeffortが変わる
変わるのはそのターンだけ。ずっと変えたいなら /effort
どのモデル・どの環境でも効く
対象は4つのモデル、AnthropicのAPI経由、対話型のターミナル
3月の復活から、ずっとeffortが上がっていた
公開コードを見る限り、実際に切り替えるのは2.1.311から
ultrathinkとultracodeは同じもの
別物。ultracodeは動的ワークフローのオンとオフの設定
なお、2026年3月にはBoris Cherny氏がXで「Ultrathink == max effort for one turn」と投稿 しています。ただ、CHANGELOG・公式ドキュメント・公開コードのどれにも、max に上がるという記述はありません。公式の記述を優先して考えるのがよいと思います。
ultrathinkと/effortの使い分け
普段は/effort、難しい1ターンだけultrathink
公式のベストプラクティス は、普段の作業の中で、次のメッセージだけ深さが必要なとき(難しい質問が1つだけあるときなど)は、設定を変えずに、そのプロンプトに ultrathink を入れるよう案内しています。
逆に、ずっと深く考えさせたいなら、/effort high や /effort xhigh で設定を上げる方が素直です。すでに xhigh や max で動かしているなら、ultrathink を足してもeffortは上がりません。
ultrathink を足すと良さそうなのは、たとえば次のような場面です。
どちらの設計にするか本当に迷っている
原因の分からないバグを調べる
見落としが怖い変更を確かめる
計画を立てさせる、調査を深めさせる
モデルを上げる前に、まずultrathink
Anthropicは、Claude Codeの公式ブログ「What a task costs on Opus 5.5 」で、うまくいかないときにすぐ上位のモデルへ切り替えるのではなく、その前にeffortを上げて試すことをすすめています。たとえばOpusでバグが直らなかったとき、Fableに切り替える前に、effortを medium から high や xhigh に上げてみる、ということです(詳しくはGPT-6 Sol・LunaとClaude Opus 5.5の比較 の記事で紹介しています)。
ultrathink は、この「まずeffortを上げる」を手軽に試すための手段だと考えるとよいと思います。/effort で設定を変えると、その後のターンもずっと深く考えるようになり、時間も利用枠も使い続けます。ultrathink なら、詰まったその1ターンだけを xhigh で動かせます。
試す順番としては、次の流れがよさそうです。
詰まったら、まずそのプロンプトに ultrathink を足して1ターンだけ深く考えさせる
それでも難しい作業が続くなら、/effort でセッション全体のeffortを上げる
それでも解決しなければ、上位のモデルに切り替える
時間と利用枠は大きく増える
effortを上げると、使うトークンも時間も増えます。公式ドキュメントでも、xhigh は「より多くのトークンを使う、深い推論」と説明されています。
参考になるのが、Anthropicのブログに載ったThariq Shihipar氏の記事「Using Claude Code: Spending your effort 」です。ターミナルでの作業を測るベンチマーク(Terminal-Bench 3.0)の課題で、effortを変えて試した結果が載っています。
effortを上げると成功は増えたが、時間は10倍以上かかった。課題AはFable 5.1、課題BはOpus 5.5での結果
effortを上げると成功する回数は増えましたが、1回あたりの時間は10倍以上になっています。記事では、effortを上げると、細かいケースの見落としによる失敗は減る一方で、そもそもの方針が間違っているときは直らない、とまとめられています。
本人の試行なので、どの作業にも当てはまるわけではありません。それでも、簡単な作業に毎回 ultrathink を付けるのは、時間と利用枠の無駄になりやすいと言えそうです。
プロンプトで伝えるのも効く
Boris Cherny氏は、今はモデルに「何をしてほしいか」「どれだけ労力をかけてほしいか」「正しくできたかをどう確かめるか」を伝えることが大事だと書いています 。公式ドキュメントも、考える量を増やしたい・減らしたいときは、プロンプトやCLAUDE.mdに直接書けば、モデルがeffortの範囲内で従うと説明しています。
ultrathink の1語に頼るより、何をどこまで確かめてほしいかを書いた方が、結果が安定する場面も多いと思います。
Codexとの違い
OpenAIのCodex にも、low から max、ultra までの推論の強さの設定があります。ただ、Codexの公式ドキュメントには、プロンプトに特定の言葉を書くだけで1ターンだけ深くするキーワードは見当たりません。
また、Codexの「Ultra」は、サブエージェントで作業を並列に分担させる進め方の選択です。名前は似ていますが、ultrathink とは別物です。
まとめ
2.1.311から、ultrathink はそのターンだけeffortを xhigh に上げる合図になりました。上がるのは xhigh までで、セッションの設定は変わりません
上がるのは、対話型のターミナルで、AnthropicのAPI経由のOpus 5.5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5・Fable 5.1を使っているときです。虹色になっていれば上がります
「31,999トークン」「think hardで深くなる」は古い説明です。普段の深さは /effort で決め、本当に難しい1ターンだけ ultrathink を足しましょう。うまくいかないときも、上位のモデルに切り替える前に、まず ultrathink を試すのがおすすめです