Gemini 4 Carbonとは?Argonを上回るGoogleの最上位モデルの特徴と、いつ使えるのかをわかりやすく解説

矢野 哲平

目次

こんにちは、AIニュースアプリ Morning AI 開発者の矢野哲平です。この記事では、Googleが新たに発表したモデル「Gemini 4 Carbon」について、どんなモデルなのか、何が得意なのか、そして私たちはいつ使えるのかを整理します。

少し前に Gemini 4 Argonの記事 で、Gemini 4という新しい世代の最初のモデルを紹介しました。その時、私は「この後、Argonより軽いモデルが出てくるかもしれない」と予想していました。Google自身が、軽量モデルを今後出していくと話していたからです。ところが今回出てきたCarbonは、軽量モデルではありませんでした。

この記事で解説するポイントは、主に次の3つです。

  1. Gemini 4 Carbonとはどんなモデルなのか
  2. 特に強いとされる2つの領域
  3. 誰が使えるのか。一般公開はいつごろになりそうか

Gemini 4 Carbonとは

Gemini 4 Carbon(カーボン、炭素)は、Googleが10月28日(現地時間)に発表した、Gemini 4シリーズの新しいモデルです。Googleの発表 によると、Argonをベースにした「今までで一番強いモデル」で、GoogleのCEOも、ほぼすべての分野でArgonの性能を上回ると話しています。

Argonが一般公開されてから、わずか2週間ほどでの発表です。Googleは「フロンティア(最前線)を押し広げるペース」を強調していて、名前のとおり、Argon(アルゴン)の次の元素名が付いた上位モデルという位置づけです。

Gemini 4 Argon
一般公開済み
Gemini 4の最初のモデル
9月30日に発表
10月13日に一般公開
$2 / $10/100万トークン(入力/出力)
Gemini 4 Carbon
最上位
Argonをベースに強化
サイバーセキュリティに強い
長時間のエージェント作業
$2 / $10/100万トークン(導入価格)
ArgonとCarbon。Carbonは軽量版ではなく、Argonを上回る最上位のモデル

外部の評価でも上位に入っています。複数のベンチマークをまとめた評価サイト「Artificial Analysis」の指標(Intelligence Index v5.0)では、スコア59で1位。Webアプリの作成を競う「WebDev Arena」でも、Argonから89ポイント伸ばして4位に入りました。Argonの時点での他社との比較は Gemini 4 ArgonとChatGPT・Claudeの比較記事 にまとめています。

特に強い2つの領域

Googleが特に強調しているのは、次の2つです。

1. サイバーセキュリティ

Carbonは、セキュリティの「脆弱性を見つける → 悪用できるかを確かめる → 根本から直す」という一連の作業で、最高水準の成績を出しています。

作業 ベンチマーク Carbonの成績
実際の脆弱性を見つける SEC-bench Pro 88.2%
悪用できるかを検証する ExploitGym 54.8%
根本原因を修正する CWE-bench 71.0%

Googleの社内テストでは、安全なコードを生成できる割合がArgonの2倍以上になり、Chromeのチームからは「他社の大型モデルより10倍以上よいパッチを作れた」という報告もあるそうです。OpenAIも サイバーセキュリティ専用のモデルと限定公開のプログラム を進めていて、各社がこの領域に力を入れていることが分かります。

2. 長時間にわたるエージェントの作業

もう1つが、長時間のエージェント作業です。Googleの社内では、Carbonが数日間にわたって動き続け、行き止まりにぶつかっても粘り強く進め、大きなコードベースの中の分かりにくいバグの原因を突き止めて修正する、といった使い方がされているそうです。

AIエージェント は、考えて、道具を使い、結果を確かめて、また次の一手を考える、という動きを繰り返します。この繰り返しを長く続けられるほど、人が見ていない間に任せられる仕事が増えます。Carbonは、その方向に大きく寄せたモデルと言えます。

安全面も強化されています。間接的なプロンプトインジェクション(外部の文章に仕込まれた指示に従ってしまう攻撃)への耐性を測るベンチマークでは、攻撃の成功率が0.0%。根拠のない主張をする割合もArgonの約半分に減ったとしています。

誰が使えるのか:一般ユーザーはまだ

ここが一番大事なポイントです。私たち一般のユーザーは、Carbonをまだ使えません。

今使えるのは、サイバー攻撃を防ぐ仕事をしている専門家のような、Googleが審査した一部の人だけです。Googleは「Fairwindプログラム」という枠組みを通じて、信頼できるパートナーに段階的に提供を広げるとしていて、米国政府の公開前テストにも参加しています。

一般ユーザー
審査済みの専門家
Argon
ArgonPro・Ultra
Argon
Carbon
Carbon準備中
CarbonFairwind
Carbonを今使えるのは、Googleが審査したサイバー防御の専門家だけ。一般ユーザーは、開発者・企業・個人向けの提供を待つ段階です。
誰が使えるか。Carbonは専門家向けの限定公開から始まった

開発者・企業・個人向けには「できるだけ早く」提供するとしていますが、具体的な日付は出ていません。

一般公開はいつ?Argonの前例から考える

目安になるのが、Argonの時の流れです。Argonも最初はセキュリティの専門家向けに出して、約2週間後に一般公開されました。Argonの記事 で書いたように、9月30日に発表し、10月13日に一般公開という順番でした。

9月30日
Argon発表。限定公開
10月13日
Argon一般公開
10月28日
Carbon発表。限定公開
11月半ば?
Carbon一般公開の目安
Gemini 4 ArgonとCarbonの経緯。日付は現地時間。最後の一般公開の時期は筆者の予想

Carbonも同じ順番で進むとすれば、11月の半ばごろが1つの目安になりそうです。これは私の予想で、Googleの公式な予定ではありませんが、そう遠くないうちに使えるようになるとは思います。

なお、APIの料金はArgonと同じ導入価格で、100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドル、キャッシュした入力は95%引きです。導入期間が終わると、入力4ドル・出力20ドルになります。

まとめ

  1. Gemini 4 Carbonは、Argonをベースにした、Googleの今までで一番強いモデル。軽量版ではない
  2. 特に強いのはサイバーセキュリティと長時間のエージェント作業。外部の評価でも上位
  3. 今は審査済みの専門家向けの限定公開。Argonと同じ流れなら、11月半ばごろの一般公開が目安

使えるようになったら、ChatGPTやClaudeとの比較もあわせて、あらためて記事にまとめる予定です。Argonの実力が気になる方は、まず Gemini 4 Argonの記事 からどうぞ。

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